環境出前講座で未来の海を考える
2025年2月21日、2月25日、3月3日にかけて、一般社団法人海と日本プロジェクトinながさきが主催する「環境出前講座」が開催されました。この講座は、長崎県大村湾の小学校5校で実施され、247名の子どもたちが参加しました。本イベントの目的は、海藻と海の環境に関する知識を深め、温暖化に対する意識を育むことです。
大村湾の魅力と危機
大村湾は地元の自然と明るい未来を象徴する場であり、海藻はその生態系において欠かせない存在です。しかし、近年、環境変化や温暖化の影響で、海藻の数が減少しています。講師の井手迫義和氏は、実際の調査結果を基に、海藻がどのように二酸化炭素を吸収し、地球温暖化防止に貢献しているかを説明しました。
その際、井手迫氏は「大村湾のムール貝が2023年に全滅した」と指摘し、子どもたちに深い衝撃を与えました。この事実を受け、子どもたちは温暖化の深刻さを実感し、具体的な対策を考える機会となりました。
温暖化と海藻の役割
温暖化は全世界で進行しており、海の温度も上昇しています。井手迫氏は、「温暖化を食い止めるには、二酸化炭素の吸収量と排出量を均等にしなければならない」と説明しました。海藻はこのプロセスに大きな役割を果たしており、長崎県では海藻が年間約16万トンの二酸化炭素を吸収しています。これを聞いた子どもたちは、「海藻がそんなに効果的なんだ!」と驚きと共に、海藻を増やす重要性を再認識しました。
ごみ問題と環境意識
講座では、海底に沈むプラスチックごみの実態も取り上げられました。ペットボトルやお菓子の袋など、分解されにくいごみが堆積し、海藻の成長を妨げていることが紹介され、子どもたちは自分たちの出したごみが維持する海に大きな影響を与えていることを学びました。「私たちのごみがこんなに影響を与えている」と、自らの行動に驚き、ポイ捨てをやめる意識を持つ声が上がりました。
行動する意識を育む
最後に、井手迫氏は「食べ残しをしないことが温暖化対策につながる」と伝えました。食べ残しが生ごみとなり、大量の燃料を使用することに直結していることを理解し、子どもたちは実践的に今後の食事レシピや給食スタイルを考える動きに移りました。
この講座を通じ、参加した子どもたちは海藻や大村湾に対する理解を深めるだけでなく、自らが行動する姿勢を持つようになったようです。
子どもたちの声
- - 「温暖化に対してできることがあると気づいた!」(小学5年生)
- - 「大村湾をきれいにするために、自分ができることを考えたい。」(小学6年生)
結び
海と日本プロジェクトは、子どもたちが未来へ美しい海を残すためのサポートを行っています。このような取り組みが広がっていくことで、次世代を担う子どもたちが持続可能な未来に向けて一歩踏み出すことを期待しています。