節約意識の高まりと障害
日本全国で経済的不安が広がる中、生活者の節約意識が高まっていることが、日本生活協同組合連合会の調査で明らかになりました。この調査は、2025年5月13日から5月18日まで行われ、有効回答数は6,207件。調査結果によると、約94%の人々が日頃から節約を心掛けていると回答しました。
物価高騰が節約行動を促進
節約を意識している理由として最も多かったのは、「モノやサービスが値上がりしているから」というもので、62.3%がこれを挙げました。この傾向は前年よりも2.4ポイントの増加。主に、20代から50代までの年代総合でも、物価上昇に対する影響が大きいことが分かります。
次に多い理由は「将来の生活に備えて貯蓄するため」(52.6%)、特に20代と30代ではより高い意識が見られ、64.9%及び69.6%の回答がありました。
疲れた財布は「食」に影響
調査結果の中で、直近3か月に家庭で行った節約項目として、「ふだんの食事」(63.7%)が引き続き1位となりました。食料品や飲料に対する節約意識が特に高い中で、外食(49.0%)や衣類・靴(40.2%)の削減に取り組んでいる家庭も多く見受けられます。特に30代は71.0%が食事の節約を意識していました。
嗜好品・簡便系の意識
調査の中で、現在節約しているものや今後節約したいものについては、菓子やおやつ(41.8%)、デザート・スイーツ・アイス(38.4%)、調理済みの総菜や弁当(30.5%)が上位にランクインしました。物価の高騰の影響で、「米」の節約も増え、20.0%が節約対象として挙げています。
購入頻度や量の減少
今後の生活を見据えた中で、最近値上がりの影響による購入頻度の減少や量の減少も厳しく伺われ、「米(24.4%)」が上位にランクインしています。同じくデザートや果物といった嗜好品(26.4%、26.3%)も影響を受けている様子。人々はより安価な商品にシフトする傾向を示しています。
食生活の変化
値上がりによる食生活への影響も無視できません。「同じようなメニューが増えた」と回答した人は36.2%に上り、特に20〜30代がこの影響を強く感じています。また、手作り料理の増加については減少傾向が見られました。一方で「米の量や頻度が減った」という回答も20.5%に上り、新たな示唆を提供しています。
調査の背景と意義
このように、節約を意識する人々が多い中で、生活スタイルの見直しを余儀なくされている現状が浮き彫りになりました。調査結果からは、経済的な圧力が消費者の行動にどのように影響しているのか、また今後どのように生活が変化していくのかを考える重要な情報が得られました。これらの調査は、食の消費トレンドや家計の見直しとして今後の参考になるでしょう。
おわりに
嫌応なしに変化が求められる中、消費者は新たな選択を迫られています。節約という意識認識の根底には、今後の生活への備えという強い動機が私たちの行動を変えているのです。