最近、日本の社会保険労務士界において注目を集めるM&Aが成約しました。東京都荒川区を拠点とする社会保険労務士法人やさか事務所が、静岡県浜松市の社会保険労務士法人M&パートナーズへ譲渡されるというニュースです。このM&Aは、まさに人生の第二幕を迎えた池上貴子代表が、自身の事務所をどうするかという大きな決断から始まりました。
やさか事務所は、11人のスタッフとともに成長を続けてきた企業です。池上代表は開業以来、顧客の信頼を得て、着実に業績を伸ばしてきました。しかし、60歳を目前に控えた彼女は、新たな人生のフェーズへと移行する時期に来ていました。このまま事務所を運営し続けることも考えましたが、後継者不足や将来的な事業の継続に関する不安を抱えていました。このような状況で、M&Aの選択肢が浮上したのです。
池上代表は、事務所存続のために日本M&Aセンターに相談しました。そして、M&Aをサポートするシステムや実績がある同社の助けを借りて、次第にM&パートナーズとの交渉が進みました。結局、2024年10月には正式な譲渡が完了し、井上代表は引き続き事務所に関与しながら、顧客との信頼関係を築く活動を続けています。
一方で、M&パートナーズの松澤浩貴代表もまた、M&Aを通じて自社の成長を模索していました。静岡県で40年以上の歴史を有する同事務所は、関東エリアにおける顧客の増加を受け、地理的な拡大を目指していました。やさか事務所の法人化にも対応しながら、松澤代表は短期間での成約を実現しました。
松澤代表は、「50人規模の社会保険労務士法人に拡大し、売上3億円を目指したい」という強い意志を持つ方であり、M&Aを通じて新たな時代に突入しました。彼は「人事・労務サービスを提供する上で、質を向上させるためのノウハウを取り入れたい」と話します。このように、M&Aは新たなマーケットを切り開く一手となることが期待されます。
この事例からもわかるように、人生のステージごとに選択肢を持たせることは、事業の存続において非常に重要です。池上代表の事務所が新たに受け取った道は、単なる譲渡ではなく、未来への責任ある選択に他なりません。また、松澤代表のビジョンもまた、さらなる成長を促す契機となっています。
今後も、M&Aを通じて新たなステージを迎える企業が増えていくことが期待され、経済における活性化へと繋がることでしょう。池上代表と松澤代表の両者の物語は、まだ始まったばかりです。これからの展開が楽しみです。