IHHの子会社、第一三共に対する損害賠償請求額を約10倍に増加
IHHの子会社、NTKが第一三共に損害賠償請求額を10倍に引き上げ
マレーシアを本拠地とするIHH Healthcare Berhadの間接子会社であるNorthern TK Venture Pte Ltd.（NTK）が、第一三共株式会社に対する損害賠償請求額を約200億円から約2,000億円に引き上げたという重要な情報が発表されました。この訴訟は、NTKが第一三共に対して東京地方裁判所に提起したもので、公開買付を妨害されたことによる損害賠償を求める内容です。
損害賠償請求額の増加の背景
NTKはもともと、第一三共に対して200億円（約6億3,400万リンギット）の賠償を求めていましたが、最近、外部専門家による報告書を根拠に、その金額を一気に10倍に引き上げる申立てを行いました。専門家報告書では、第一三共が公開買付を妨害した影響を分析し、損害が最小で42.4億インドルピー（約78億円）から最大で1,093億インドルピー（約1,998億円）に及ぶと示されています。これに加え、NTKは名誉毀損による損失も考慮し、請求額を約2,000億円に設定しました。
訴訟に至る経緯
本件は、2018年にさかのぼります。IHHはFortis Healthcare Limited（FHL）の株式取得を目指し、公開買付を実施しようとしていました。しかし、第一三共が一方的にインドの最高裁判所から暫定的な現状維持命令を取得したことで、NTKは公開買付の実施を妨げられました。これにより、NTKは多大な損害を被ることとなり、訴訟に至ったのです。
特に、第一三共は長年にわたり他の実体との間での法律的な争いを抱えており、その影響でNTKの公開買付に対する妨害行為が行われたとされています。この状況が、NTKの請求額増加の大きな要因となっているのです。
IHHとNTKのインドにおける取り組み
IHHとNTKは、インド市場における医療サービスの拡充に注力しており、FHLの持株を通じてインドの医療エコシステムの発展に貢献しています。というのも、インドでは急激な経済成長と共に医療ニーズが増加しており、特に生活習慣病の罹患率が高まる中、質の高い医療サービスが求められています。NTKは、このニーズに応えるべくFHLに対して500億インドルピーの一次資本を注入し、28の病院を有する強力な医療ネットワークを立ち上げました。これにより、IHHはインドでの存在感を大きく向上させており、FHLを通じて質の高い医療サービスの提供を目指しています。
今後の展望
次回の東京地方裁判所での弁論準備手続きは2025年7月11日に予定されており、今後の進展が注視されます。IHHおよびNTKは、第一三共との法的闘争がインドでの医療サービス提供において及ぼす影響を懸念しています。IHHは、早期にこの問題が解決されることを望んでおり、インドの健康管理体制の発展に寄与することを目指しています。IHH HealthcareおよびNorthern TK Venturesは、今後もインドにおける医療サービスの向上に取り組んでいくことでしょう。
会社情報
- 会社名
- IHH Healthcare Berhad
- 住所
- 3 Jalan Bangsar, KL Eco City, 59200 Kuala Lumpur, MalaysiaLevel 35, Mercu Aspire
- 電話番号
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