2025年社会意識調査の結果から見る理想の社会像とは

国民が描く理想の社会像

2025年の社会善意意識調査が発表され、国民の理想とする社会像が明らかとなりました。この調査は、日本労働組合総連合会（連合）によって、全国の15歳以上の働く男女1,000名を対象に実施されました。調査期間は2025年10月28日から30日の間で、生活の満足度や社会に対する意見を探る内容となっています。

主な調査結果

- 満足度: 調査結果によると、現在の生活に満足していると回答した人は40.5%で、その内訳は「とても満足」が7.7%、「やや満足」が32.8%でした。特に女性の満足度は42.2%で、男性の38.8%を上回っています。一方、不満と答えた人は合計で27.9%にのぼりました。

- 改善点: 生活の満足度を上げるための改善点に関しては、収入や貯蓄の経済面が52.6%と最も高く続いて賃金や労働環境が32.1%、心身の健康が26.7%という結果でした。特に非正規雇用層では、収入・貯蓄の重要性が強調される傾向が見られました。

- 将来への不安: 調査参加者の65.4%が将来に対して不安を抱いていると回答しました。男女別では女性が70.6%と男性の60.2%を上回りました。特に女性の高年層では不安感が強くなっています。

理想の社会像

調査では、理想の社会についても様々な意見が寄せられました。言うまでもなく、多くの回答者が「格差は小さいが成長する社会」を望んでいることが分かりました。この選択肢は70.3%の賛同を得ており、男女や世代別でもトレンドが見られます。特に70代以上の女性では88.9%に上りました。

さらに、社会保障制度に関する意見では「税金は高いが社会保障が充実した社会」を支持する声が55.8%を占めました。約半数の回答者が、自己責任型の社会よりも、少し高い負担で支え合う社会を選択しています。

今後の展望と課題

これらの結果からは、国民が以下のような課題を重視していることが伺えます。1位には「賃金・労働環境の改善」が挙げられました。そして、雇用の安定や社会保障制度の充実も重要視されています。

また、調査の結果、69.9%の人々が今後10年間で日本が良くなるとは思わないと回答しており、非常に高い不安を示しています。これは、社会の様々な側面において変化を求める意識の高まりを反映しています。