シニア層の終活意識の現状
近年、日本の高齢化社会において、シニア層の行動や意識に対する調査が進んでいます。その中でも、株式会社プロストイックが実施した「終活と将来の楽しみ」に関する調査では、60代以上の約6割が終活に未着手の状態であることが明らかになりました。
調査の背景
相続トラブルや空き家、そして介護の課題が顕在化する中、多くのシニアが終活を「面倒」と感じて先延ばしにしています。本調査では、シニア層の消費意欲の高まりを踏まえ、彼らがどのように終活に関して考えているのかを探ることを目的に、男女1,000名に対してアンケートを実施しました。
終活未実施の現状
調査結果によれば、60代以上では63.1%が「全く取り組んでいない」と回答しています。この数字は、終活に関するさまざまな問題が深刻化している中で、依然として多くのシニアが行動に移せていないことを示しています。
何が終活のハードルになっているのか?
多くのシニアが終活に着手していない理由としては、「めんどくさい」や「やり方がわからない」という心理的な障壁が指摘されています。その結果、全体の約90%が終活を完了できていないという厳しい現実が浮き彫りになりました。特に、終活を「義務的な作業」と捉えている印象が根強いことも影響しています。
旅行やご褒美への希望
一方で、調査中にはシニア層の娯楽やご褒美へのニーズも明らかになりました。特に「温泉旅行」や「お酒・グルメ」が人気上位にランクインしています。「旅行に行きたい」という希望は多くのシニアに共通しており、旅行を通じたリフレッシュが彼らの生活の質を向上させる手段として期待されています。
終活支援とご褒美の提案
今回の調査からは、終活を進めることで特典や報酬が得られるサービスが喜ばれる可能性が示唆されました。特に、終活未着手の約40%が「利用したいと思う」と回答しています。これは、「面倒」とのネガティブなイメージを払拭し、ポジティブな動機付けが必要であることを示しています。
具体的なサービス構想
株式会社プロストイックは、シニア層の終活を楽しさと結びつける新たなサービスの構想を進めています。このサービスは、終活を進めながらポイントを貯めることで、温泉旅行や高級レストランの食事券に交換できる仕組みです。
特におひとりさま向けの内容を強化し、終活に対する心理的ハードルを低減するため、サイト内で多様な終活タスクを一元管理できるサービスを整備予定です。
終活を「明るいもの」に変える
最終的に、私たちが目指すのは、「終活を暗いものから前向きなものへと転換する」ことです。死後の準備を終えることを目的とするのではなく、それを通じて得られる安心感や、新しい体験を通じてシニアのセカンドライフを豊かにすることにあります。新サービスにより、逝後の準備がもたらす楽しみを通じて、シニア層の行動を促し、家族に安心を残すことが期待されます。