浪江町が誇るアートプロジェクト、SDGs賞受賞の快挙
福島県の浪江町は、地域の歴史と未来をアートで表現する『なみえアートプロジェクト「なみえの記憶・なみえの未来」』が第5回SDGs岩佐賞(芸術・スポーツの部)を受賞したことを発表しました。このプロジェクトは、原発事故により全町避難を余儀なくされた浪江町で、地元の住民たちがその記憶および希望する未来をアートで表現するものです。
なみえアートプロジェクトとは?
このプロジェクトは、一般社団法人NoMAラボが主導しており、芸術家集団「ヘラルボニー」が参加しています。彼らは「異彩を、放て。」というミッションを掲げ、町の過去と未来をビジュアルアートを通じて表現しています。これにより、地域住民が残したい記憶、そして目指す未来を共有し、新たな形で継承する取り組みが進められています。
アートプロジェクトの初期段階では、浪江町の住民から様々な意見を集め、その声を基にアートのテーマが決められました。その結果、これまでに第1弾から第5弾まで計10作品が町の各所に展示され、地域住民や観光客による注目を浴びています。
その受賞の背景
受賞の発表に際して、NOAMラボの代表である高橋大就氏は、「一度時間が断絶されてしまった町であるからこそ、まずは記憶をしっかりと紡ぎ、住民主体で未来を創ることが大切です。皆様のご支援を通じて、この町の魅力と未来を全国に発信していきたい」と述べています。
今後は、浪江町を訪問する多くの人々に、このアートプロジェクトを巡る「なみえ町歩き謎解きアドベンチャー「時の波へ」」を楽しんでもらう活動も予定されています。2024年10月には、アートに隠された謎を解きながら町を散策できる冊子も発売される予定です。
アート作品の一部紹介
ここで、これまでの作品のいくつかを紹介します。
1.
第1弾「十日市」/ アーティスト:日吉雅治
- 表現された町の記憶とともに、新たな未来への視点が提供されています。
2.
第2弾「コスモスマラソン」/ アーティスト:衣笠泰介
- 町の活気を象徴する作品。
3.
第3弾「國玉神社の夜籠り」/ アーティスト:北村 彰吾
- 地域の祭りや文化を継承する意義が込められています。
これらの作品は、浪江町の各所で見ることができ、それぞれが特殊なストーリーを持っているため、訪問者は新たな発見を楽しむことができます。
SDGs岩佐賞について
SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞は、持続可能な開発目標(SDGs)に関連する優れた活動を支援するための賞で、医療、教育、環境、芸術など8つの部門があります。今回の受賞は646件の応募の中から選ばれたもので、その意義と重要性が広く認識されています。
まとめ
浪江町の『なみえアートプロジェクト』は、ただのアート展示にとどまらず、地域の記憶と未来を紡ぐ重要な取り組みです。このプロジェクトが地域に新たな可能性をもたらし、多くの人々に愛されることを心から願っています。来る「時の波へ」のオープンに向けて、さらなる支援と関心が高まることを期待します。