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ドコモ、長崎総合科学大学、NXTECが共同で1200V級直流給電網の実証実験を開始！カーボンニュートラル実現に向けた次世代型エネルギーネットワーク構築へ

NTTドコモ、長崎総合科学大学、NTTデバイスクロステクノロジ株式会社の3社は、長崎市と協力し、2030年のカーボンニュートラル実現に向けて、太陽光発電システムから基地局への効率的な電力供給を目指した実証実験を開始しました。

この取り組みでは、太陽光発電の供給効率向上のため、電力損失軽減のための高電圧化と、高効率なエネルギーマネジメントが重要となります。1200V級の高電圧を用いることで、電圧の降下ロスや送電ロスを抑制し、さらに、太陽光パネルで発電した電力を、交流に変換せずに直流のまま伝送することで電力の変換ロスを軽減します。

高効率電力変換器と協調制御技術で電力損失削減

本取り組みでは、太陽光発電システムに1200V級の高い電圧を用いることで、電圧の降下ロスや送電ロスを防ぎ、さらに、太陽光パネルで発電した電力を、交流に変換せずに直流のまま伝送することで電力の変換ロスを軽減します。それらに対応した直流電力変換器を開発し、発電した電力の伝送・給電を最適化する協調制御技術と連携させることで、太陽光発電システムを向上させる検証を行います。

GaNを用いた直流電力変換器で高効率化を実現

具体的な技術として、太陽光パネルから発電した電力を、低損失で高速動作、かつ高効率な伝導の特徴を持つGaN(窒化ガリウム）を用いた直流電力変換器を開発しました。GaNは、従来のシリコンベースのデバイスに比べ、より高い絶縁破壊強度、より速いスイッチング速度、より高い熱伝導率、より低いオン抵抗という優れた特徴を持つ半導体デバイスです。GaNを電力変換器に採用することで、小型化と高効率化を実現しています。

多数の変換器を直並列接続することで1200V級の高電圧を実現

600Vの低耐圧な電圧でありながら、多数の直流電力変換器を直並列に接続し、さらにそれらを多重に並列化することで電圧を増幅し、1200V級の高電圧で伝送する新しいシステム構成を採用しました。これにより、エネルギーマネジメントの高効率化だけでなく、変圧器や放熱板など部品の小型化・軽量化が期待できることからコスト低減も見込め、技術的、経済的に優位性が生まれます。

蓄電池制御で電力効率向上と地域電力系統安定化に貢献

GaNを搭載した電力変換器で高効率に発電された電力は、基地局に供給されるだけでなく、蓄電池制御にも活用されます。余剰電力を蓄電池に蓄えるだけでなく、天候や地域での電力需給状況を踏まえて蓄電池の充放電を実施することで、グリーン基地局で培ったドコモ独自のエネルギーマネジメント技術を活用し、電力効率の向上や地域の電力系統安定化に貢献します。

地域との共創で次世代型エネルギーネットワークの実現へ

ドコモ、長崎総合科学大学、NXTECは、長崎市や長崎県産業振興財団の支援を得て、地域との共創を推進しながら、1200V級直流給電網による次世代型エネルギーネットワークの実現をめざして取り組みを進めていきます。本取り組みは、環境省公募事業である令和6年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業の一環として実施されます。

1200V級直流給電網は、次世代のエネルギーネットワークとして、カーボンニュートラル実現に大きく貢献する技術として期待されています。

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