宇宙戦略基金の採択を受けて世界の洪水被害を解析する技術開発

宇宙戦略基金による新たな技術開発

株式会社Gaia Visionが、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）が進める令和6年度宇宙戦略基金公募テーマ「衛星データ利用システム海外実証（フィージビリティスタディ）」において、提案した技術開発課題が採択されたことが発表されました。この課題は「衛星データを活用した全球洪水被害の即時3次元解析情報提供サービスの実証」であり、近年増加している洪水の影響に迅速に対応することを目指しています。

洪水被害への対応

昨今、気候変動に影響された洪水が世界各地で発生しており、これに対する迅速かつ的確な情報提供の必要性が高まっています。特に、洪水発生時には、現地での情報収集が困難となることが多く、迅速な状況把握や被災者の支援が後手に回ってしまいます。これを受け、Gaia Visionは、衛星データと空間解析技術を融合したシステムの開発を進めることになりました。これにより、発災初動段階で必要な情報を迅速に提供し、復旧・復興活動を後押しすることが期待されています。

提案されるサービスの特徴

本サービスの特徴は以下の通りです：
1. 全球を対象：衛星データを用いることで、地球上のどこでも洪水被害の解析が可能となります。
2. 迅速な結果：解析結果を1-2週間以内に提供することを目指しています。
3. 包括的な分析：浸水状況だけでなく、被害状況やその原因の分析を実施し、復興に向けた総合的な支援を行います。

これにより、行政機関だけでなく、インフラ事業者や事業運営者にとっても、復旧や事業再開に向けた重要な情報が提供されることになります。

今後の展望

Gaia Visionは、これまでにも企業や地方自治体の気候変動対策を支援してきました。現在の技術開発を通じて、新たな価値を提供し、さらなるサービスの拡充を図ります。特に、気候科学や水文学に基づいたデータソリューションを活用することで、クライアントのサステナビリティとレジリエンスの向上につなげていく予定です。また、グローバルな展開も視野に入れ、より多くの顧客に支援を広げていくことが重要です。

Gaia Visionの紹介

株式会社Gaia Visionは2021年設立のベンチャー企業で、東京大学の研究成果をもとに、高精度な洪水シミュレーション技術や気候データ分析を提供しています。これまでの業績に基づき、気候リスク分析アプリケーション「Climate Vision」や洪水予報ソリューション「Water Vision」を展開し、顧客の持つ資産のリスクを定量的に評価しています。私たちの目標は、気候・水分野での専門知識を生かし、持続可能な未来の実現に貢献することです。