カーボンニュートラルを目指す新たなアルミ溶解炉
近年、脱炭素化社会の実現を目指し、自動車部品をはじめとしたアルミ鋳造現場における環境への配慮が一層求められています。この流れの中で、株式会社正英製作所は、CO2を排出しない全く新しいタイプのアルミ溶解保持炉を開発しました。この炉は、グリーン電力と水素を組み合わせたハイブリッド熱源を利用することで、カーボンニュートラルなアルミ溶解プロセスを実現しています。
水素燃焼の導入
新型アルミ溶解保持炉の特長の一つは、燃焼時にCO2を発生させない新型水素ガスバーナーを採用している点です。従来のガスバーナーは、天然ガスやプロパンガスを燃料としており、その燃焼時にはCO2が排出されます。この新しい水素ガスバーナー「EIS-H2」は、従来型と同等の溶解速度を保ちながら、NOxの排出を抑えて高い燃焼効率を実現しています。これにより、アルミ溶解ラインにおいても環境負荷を軽減することが可能となりました。
高効率浸漬ヒーターの活用
また、溶湯保持ラインには、国内外で多数の実績を持つ高効率浸漬ヒーターが採用されています。このヒーターは独自構造の「斜め浸漬型」を取り入れることで、酸化物の生成を抑えつつ高いメンテナンス性を実現しました。さらに、保持ラインは燃焼排ガスの影響を受けにくい構造となっており、安定した温度管理が可能です。
進化した技術のメリット
1. CO2排出ゼロ
この新型溶解保持炉は、CO2の排出が全くないため、企業の環境への貢献度が向上します。
2. 高効率浸漬ヒーターによる熱効率向上
高効率なヒーターによって、エネルギーコストの削減が期待できる上、安定した溶解プロセスが実現します。
3. 独自の炉内構造
酸化物の発生を抑えるための工夫が施された炉内構造は、運用コストの低減にもつながります。
4. 燃料の柔軟性
溶解ラインでは、水素と天然ガス・プロパンガスの燃料切り替えをバーナー部品の交換のみで行えるため、運用の幅が広がります。
テスト炉の設置
さらに、正英製作所は奈良県に位置する法隆寺センター内に、実機ベースのテスト炉を新たに設置しました。このテスト炉では、水素燃焼の見学や、インゴットを持参した際のアルミ溶解テストを受け付けており、多くの企業に訪問してもらえることを期待しています。
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株式会社正英製作所は、持続可能な製造へと進む中で、これからも新しい技術の開発に力を入れていく所存です。