訪問歯科の需要増、シニア歯科衛生士の再就職事情とは？

シニア歯科衛生士が訪問歯科で活躍

近年、歯科業界でのシニアの就業機会が拡大し、特に訪問歯科診療の需要が高まっています。株式会社シニアジョブの最新調査によると、歯科衛生士として就業したシニアの66.7%が訪問歯科診療を担当するという結果が明らかになりました。この調査は2025年までのデータを基にし、歯科業界におけるシニア人材の活躍とその動向に光を当てています。

シニア歯科衛生士の就業状況

調査では、歯科衛生士として働くシニアの多くが経験豊富なプロフェッショナルであり、全員が20年以上の実務経験者です。また、訪問を担当しない一般の歯科助手に比べて、訪問歯科の需要が特に高い点が特徴です。これにより、訪問を担うスタッフに対する求人も増加していますが、訪問するドライバーの募集は限られています。

さらに、雇用形態にも違いが見られます。歯科衛生士はすべてパートやアルバイトでの雇用ですが、歯科助手の方は37.5%が正社員として採用されています。このことから、責任や業務の負担を軽減したいシニア歯科衛生士が多いことも影響しているのかもしれません。

業界の求人状況と傾向

求人情報を見ると、歯科衛生士の求人には「経験不問」のものが70.6%を占め、非常に高い割合で提供されています。これは、ブランクを持つシニアにも優しい条件となり、多くのシニア求人が公開されていることを示しています。それにもかかわらず、就業決定者は全員が経験者であり、業界内では実際の経験が重視されていることが伺えます。

また、歯科助手に関しても未経験者の割合は51.2%にとどまっており、シニア層の応募はすでに経験者が多いことがわかります。

2024年との比較

2024年から2025年にかけては、求人数が増加し、「60歳以上歓迎」「70歳以上歓迎」の求人が多くなっています。この傾向は、高齢者にとっては追い風となるでしょう。また、内定までの応募件数も増加しており、柔軟な採用条件がシニア層を市場に引き上げています。

毎年のデータをもとに、訪問歯科の需要が高まっていることが確認されており、今後もこの流れは続くと予測されます。採用市場における変化を注視し、新たな求人が広がることに期待が寄せられています。