新たな時代のDX推進のカギ、デザイン思考とデータ活用
デジタルトランスフォーメーション(DX)が進展する中、日本企業は今、次のステップである「第二段階のDX」に直面しています。この段階では、デジタル技術を用いた業務改善やデータ活用が進みましたが、実際にはイノベーションや新たなビジネスモデルの創造には至っていない企業も多く存在します。この状況を打破するために、株式会社インフォバーンと株式会社ブレインパッドが手を組み、革新的な「デザイン思考による分析テーマ/サービス価値探索プログラム」を策定しました。これは、企業のDX推進を支援するための新たな試みであり、2025年7月1日から本格提供が予定されています。
DX推進に必要な問いを設計する背景
現在の日本企業は、デジタル技術を駆使している一方で、根本的な「問い」、すなわち「この施策の目的は何か?」、「どのような価値を提供できるのか?」という視点が薄れていると指摘されています。この「問いの設計」が不十分なままでは、第二段階のDXには進めないという意識が高まっています。特に、デジタル技術の延長線上では解決できない課題が増えているため、根本的な見直しが必要です。
このような状況において、デザイン思考を取り入れることが重要です。「デザイン思考」は、企業が新たな価値を創出し、解決すべき問題を深く探求する手法として注目されています。インフォバーンは、このデザイン思考に基づいた思考フレームを構築し、企業内における価値の再定義と問題の再設計を行うことを目指しています。
新プログラムの特長
この新プログラムは、企業がDXを推進する中で抱える共通の課題を解決することを目的としています。特に、次の二つのプロセスに基づいて展開されます。
1. 分析テーマ探索プログラム(3日間)
このプログラムでは、データを活用した業務改善が進んでいる企業が、次のステップとして革新を生み出せるように支援します。具体的には、自社の強みや未来ビジョンを言語化し、先進的な事例を参考にしながら新たな価値の仮説を構築します。また、その価値を支えるデータと、効果測定の指標を設定することで、新たなマインドセットを導入し、業務改善にとどまらないDXテーマを見出す支援を行います。
2. サービス価値探索プログラム(1日間以上)
企業がサービスの見直しや新機能の企画を進める中で、このプログラムによって「その機能は誰にどんな価値を提供するのか?」を再定義することをサポートします。顧客の視点を持つことで、サービスの価値と顧客ニーズがコンシステントであるかを検証し、最終的には指標化・データ設計に向けて展開します。これにより、「機能主語」から「受益者主語」のサービス設計へと導きます。
プログラムの展望と目指すもの
このプログラムの導入を通じて、企業は自らの「問いを立てる力」を養い、データの活用や技術導入の前に本質的な価値を見極める能力を得ることができます。この取り組みは、単なるテーマ設定支援に留まらず、企業の内発的な変革を促進することを目指しています。
終わりに
デジタル技術が進化する現代にあって、企業は確実に変わらなければなりません。インフォバーンとブレインパッドが開発した新たなプログラムは、そんな時代の中で企業が“生き残り”そして“成長”するための新たな風を吹き込むことでしょう。企業が直面する困難な問題に対し、いかにして根本的な解決策を見出し、新たな価値を創造するのか。これからの企業の挑戦が期待されます。