滋賀県で進化するオーガニック農業の未来を切り開く取り組み
株式会社坂ノ途中は、滋賀県と業務委託契約を結び、オーガニック野菜の生産に関する事業計画の策定や体験研修を通じ、農業の未来を担う人材育成に力を注いでいます。代表取締役の小野邦彦氏が率いるこの企業は、全国約400軒の生産者と提携し、有機農業の普及を目指しています。滋賀県の美しい自然と水資源を活かし、持続可能な農業の推進に貢献しているのです。
滋賀県は琵琶湖を始めとする豊かな水源に恵まれた地域であり、古くから様々な農業技術が発展してきました。湖魚の生態を活かした漁法や、森林保全に配慮した農業など、多面的な努力の結果、琵琶湖周辺は世界農業遺産にも認定されています。県は「みどりの食料システム戦略」に基づき、オーガニック農業の拡大を積極的に推進しています。
坂ノ途中の取り組みのひとつである新規就農者の育成は、環境への負荷を抑えた農業モデルを通じて、少量生産でも安定的に農産物を流通させる仕組みを築いています。新規就農者の成長を支援する中で、坂ノ途中は多様なノウハウを蓄積し、オーガニック農業の未来を担う人材の確保に努めています。
2023年にスタートした滋賀県でのオーガニック野菜研修プログラムは、受講者のニーズを反映しながら、持続的に改善されています。過去の受講生のフィードバックを生かし、2025年には3年目のフェーズに入る予定です。プログラムでは、事業計画の策定から具体的な栽培技術、植物生理の理解まで息を合わせた実践的な内容が提供され、参加者は現場で役立つ技術を身につけていきます。
具体的には、2025年9月からオーガニック野菜の生産に関心を持つ新規生産者を対象に、実施される研修プログラムでは、事業計画や栽培技術に加え、販売の工夫まで網羅的に学べる内容が予定されています。体験研修も含まれ、実地での理解を深めることができるのが特長です。
また、坂ノ途中は全国約750件の有機農家とのネットワークを持ち、自治体との連携も活発に行っています。新規就農者向けの支援や誘致策についても、自治体側からのニーズに応じたサービスを提供しています。これにより、持続可能な農業を共に推進する相手として、全国の自治体から注目を集めています。
さらに、坂ノ途中は「行政との連携実績のあるスタートアップ100選」としても認められており、地域未来牽引企業としての地位を確立しています。環境負荷の小さい農業を実践する生産者の増加を目指し、農薬や化学肥料不使用の野菜を提供することで、持続可能な社会に貢献する活動を続けています。
本社は京都市南区にあり、設立は2009年7月21日。今後も坂ノ途中は新たな挑戦を続け、滋賀県を含む全国でオーガニック農業の未来を切り開いていくことでしょう。