日立製作所が新たに提供する営業店システム
株式会社日立製作所は、11月11日より金融機関向けに新たな営業店システム「セミセルフソリューション」を提供開始します。このシステムは、金融機関の窓口業務の効率化と利用者の利便性を高めることを目的としています。ファーストユーザーには株式会社徳島大正銀行が選ばれ、同日にこのシステムの稼働が始まります。
セミセルフソリューションとは?
「セミセルフソリューション」は、窓口の専用端末を最大限に活用し、利用者が自らタッチパネルディスプレイを使って取引情報を入力できる仕組みを取り入れています。これにより、従来の伝票や印鑑が不要となり、窓口業務が大幅に効率化されます。また、窓口業務に従事する行員の作業負担も軽減され、より重要な業務に専念できるようになります。
具体的には、利用者が自分で取引内容を入力することで、行員が行っていた確認作業などのおおよその作業が自動化され、業務全体の効率が向上。これによって、窓口に訪れる利用者の待ち時間も短縮されることが期待されています。
背景とニーズ
近年、少子高齢化や地域人口の流出により、金融機関の窓口を訪れる利用者は減少傾向にありますが、依然として窓口サービスを必要とする顧客は存在します。金融機関は、限られた人員リソースを効率良く活用しながら、コスト削減とサービスの質を向上させることが求められています。また、利用者の立場からも「窓口での手続きが煩雑」「待ち時間が長い」といった不満が挙がる中、これらの問題を解決するための革新的な手法が必要とされていました。
ソリューションの特長
「セミセルフソリューション」の主な特長は以下の通りです。
1.
業務負担の軽減: 従来、行員が行っていた確認作業を自動化することで、業務負担が軽減され、作業の効率化が図れます。自動ナビゲーション機能により、適切な手続きができるため、行員のスキルや経験に依存しない正確性が確保されます。
2.
利用者の利便性向上: タッチパネルで簡単に取引内容を入力できるため、利用者にとっての負担が大幅に軽減されます。特に、視覚的に分かりやすいインターフェースやイラストが採用されていますので、高齢者や不慣れな方でも安心して利用できる設計です。
3.
導入コストの低減: 既存の窓口システムを活用し、タッチパネルや各種デバイスを接続する形であるため、専用の設備を新たに導入する必要がありません。これにより、コストを抑えて短期間での導入が可能となります。
今後の展望
日立は、この「セミセルフソリューション」を地域金融機関へ展開し、行員の業務負担の軽減と人的リソースの有効活用を促進するとともに、利用者の満足度向上に貢献することを目指しています。さらに徳島大正銀行での活用を通じて、実際の利用者や行員のフィードバックを活かし、さらなるサービス向上に努めるとのことです。
また、日立は「NEXTBASE」と呼ばれる地域金融機関向けの共同アウトソーシングサービスを展開しており、金融機関のデジタル戦略支援に力を入れています。
まとめ
日立製作所の「セミセルフソリューション」は、金融機関の窓口業務の効率化と利用者の利便性向上に資する新たな仕組みを提供します。このシステムの導入は、金融業務における新しい時代の幕開けとも言えるでしょう。今後の導入拡大や改善が待たれるところです。