タカノと東京大学の新たな挑戦
タカノ株式会社と東京大学先端科学技術研究センターの共同研究チームが、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業として進める「太陽光発電主力電源化推進技術開発」による新たな太陽電池技術の開発が注目を集めています。このプロジェクトは、2020年からスタートし、2024年度までを研究期間としています。タカノは、超高効率太陽電池の評価・検査技術の開発を推進しています。
研究の概要
本プロジェクトでは、特にⅢ-Ⅴ属化合物半導体を使用した高効率太陽電池の低コスト化を目指しています。重要なポイントは、基板再利用技術であるELO(Epitaxial Lift-Off)を用いることです。この新技術により、非接触式の性能評価技術が開発され、同時にインライン検査を実現するための光学系も整備されています。要は、太陽電池の製造過程における歩留まりの向上と品質管理の徹底に繋がるのです。
技術的な進展
開発した技術では、複数のセル構造が同時にスキャン可能であり、その結果を基に異常点の解析が行われます。これによって、特定の異常がどのように発生するのかを理解し、製造工程の改善に役立てることができます。これまでの研究成果を活かし、さらにさまざまな条件において検査プロセスの整備を進めています。
競争力のある評価手法
シャープエネルギーソリューション株式会社からのサンプル提供も受けることで、各種検査条件に基づく実証が行われており、その関連性や因果関係の検証も進めています。これは、研究のスピードを加速する要因となっています。
今後の展望
この研究から得られた成果は、移動体向けの太陽電池だけでなく、宇宙用途やペロブスカイト太陽電池へも応用可能です。また、次世代タンデム型太陽電池の開発にも目を向けています。これにより、カーボンニュートラル社会の実現へと一歩近づけるのではないかと期待されています。これからは、各種太陽電池に適した照明条件やフィルターの最適化、AI技術を用いた製造プロセスの提案も視野に入れています。
企業の使命
タカノ株式会社は、「製造業から創造業へ」を経営理念とし、新たな製品の開発に挑戦し続ける企業です。太陽電池の技術開発を通じて、持続可能な社会を支えることを目指し、次々と新しい分野への参入を実現しています。このような取り組みは、社会貢献の一環としても高く評価されています。今後の展開に期待が寄せられています。
主要な参加企業
- - タカノ株式会社: 基板再生装置の開発やELO技術の量産化を担当。
- - 東京大学: 高効率化合物セルや低コスト化技術の研究を推進。
- - シャープエネルギーソリューション株式会社: 研究開発責任者として、コンソーシアムを主導。
タカノのウェブサイトでは、さらに詳しい情報が提供されています。これからも、最新の技術に注目し、持続可能な未来に向けた研究が続くことを期待しましょう。