近年、自然災害の頻発により防災意識が高まる中、キャンピングカーの防災における役割が注目されています。一般社団法人日本RV協会(JRVA)は、キャンピングカーがレジャーだけでなく、災害時においても非常に有用であることを訴求する取り組みを進めています。
防災フェアなかの2024と合同防災訓練
JRVAは、東京都中野区で開催される「防災フェアなかの2024」と兵庫県但馬地域での「合同防災訓練」に参加し、災害時に活躍できるキャンピングカーの展示や実際の活用事例を紹介します。このイベントを通じて、キャンピングカーが持つ防災グッズとしての役割を広く知ってもらうことが目的です。
災害時におけるキャンピングカーのメリット
災害時には、迅速な行動と安全な避難が求められます。キャンピングカーはその利便性から、急な避難が必要な際にすぐに利用できるため、大きな利点を持っています。例えば、車内は家族単位でプライバシーを保てる空間として機能し、ストレスの少ない生活を提供します。また、生活に必要な基本設備、例えば電気や水、トイレ、シャワーなどが整っているため、衛生面でも安心して過ごすことができます。
さらに、キャンピングカーはフルフラットの就寝スペースも備えているため、避難所での長期滞在時における健康リスクを軽減します。エコノミー症候群の予防にもつながるのです。加えて、災害時に必要な情報収集のための通信手段も確保できます。メインバッテリーとサブバッテリーを搭載しているため、必要な電力を供給しつつ、通信環境を維持できます。
キャンピングカーによる防災調査
JRVAの調査によると、「キャンピングカーが災害時に活躍する」と考えるオーナーは98.3%にも達しました。また、プライバシーの確保ができることに対して91%が肯定的な意見を持っており、避難時に感じるストレスを少なくするための手段として広く認識されています。
日本RV協会の防災活動
日本RV協会では、地方自治体が主催する防災訓練への参加やキャンピングカーショーでの防災の重要性を啓発するブース設置など、積極的な活動を進めています。また、災害協定を結んだ自治体において、キャンピングカーを活用して災害時の支援活動を行っています。「くるまの防災ハンドブック」の配布も行い、多くの人々の防災意識を高めています。
実際の活用事例
令和6年1月の能登半島地震では、JRVAの会員企業が約60台のキャンピングカーを派遣し、被災地での自治体職員の宿泊所として大いに役立ちました。また、東日本大震災や熊本地震においてもキャンピングカーは休息の場や物資運搬に活用されました。
このように、キャンピングカーの防災における役割はますます重要となっています。日本RV協会は、今後もキャンピングカーを用いた防災対策を全国に展開し、さらなる安全を追求していく所存です。