タイミーとフィッシャーマン・ジャパン、業務提携の背景
株式会社タイミーと一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンが、新たな業務提携を発表しました。この提携は、日本の水産業における深刻な人手不足を解消し、漁師に新しい働き方を提供することを目指しています。
近年、日本の水産業は人手不足が深刻化しており、漁業だけでなく、水産加工業なども影響を受けています。2023年時点では、漁業就業人数が約12万人とされていますが、2048年にはその数が約6.8万人に減少することが予測されています。さらに、急速に変化する海洋環境や休漁の影響もあり、漁師の収入は不安定化しています。こうした課題に対し、フィッシャーマン・ジャパンは2015年から「TRITON PROJECT」を展開し、漁業の担い手を育成しています。これには、短期間の就業が可能な「TRITON JOB SPOT」が含まれ、効果的に人材の流動性を持たせる取り組みが行われています。
一方、タイミーは水産業を含む一次産業全体を支えるための専門チームを立ち上げており、スポットワークの活用を推進しています。これらの活動を融合させ、新たな仕組みを構築することが今回の業務提携の目的です。
業務提携の具体的な取り組み
この業務提携では、次のような具体的な取り組みを行うことが予定されています。
1. 水産事業者へのアプローチ
- - スポットワークの活用: 水産事業者に対して、短期的な人手不足の問題を解消するために、スポットワークの導入を促進します。
- - 説明会の実施: 水産事業者向けの説明会を開き、スポットワークの利点や導入方法を解説します。
- - 業務の切り分けサポート: 事業者が業務を適切に分割し、効率的に人手を確保できるよう支援します。
- - マニュアル整備: スポットワークを導入するためのマニュアルを整備し、事業者がスムーズに取り組める環境を整えます。
2. 漁師への新たな機会提供
- - 異業種でのスポットワーク体験: 漁師が漁に出られない時期に異業種での短期的な働き方の機会を提供します。
- - タイミー利用説明会: 漁師自身がタイミーの利用方法を理解し、実際に活用できるように説明会を実施します。
3. 新しい働き手の発掘
- - 職業選択の拡大: 水産業に興味があるが経験のない働き手に対して、スポットワークを通じて新たな職業選択の可能性を広げます。
スポットワークの急成長
上記のような取り組みにより、タイミーでは一次産業、特に農業や漁業におけるスポットワークの活用が急速に広がっています。2023年から2025年の2年間で、求人を掲載する事業所数は約8.7倍に増加し、求人募集人数も約5倍に達しました。この成長は、特に農業の農繁期において顕著です。
会社のビジョン
そして、フィッシャーマン・ジャパンは、漁業のイメージを一新し、「カッコよくて稼げる」未来の水産業を提案しています。これによって、次世代が魅力を感じる水産業を作り上げようとしています。
一方のタイミーは、働きたい時間と求められる時間を効率的にマッチングさせることで、自由な働き方を提案しています。今回の提携は、双方の目指す「新しい水産業の形」を実現する重要な一歩となるでしょう。