NPOの信頼性向上を図る新制度の導入
公益財団法人日本非営利組織評価センター(JCNE)が、NPO(非営利組織)の信頼性を高めるための新しい評価認証制度を導入することが発表されました。この取り組みは、寄付者や支援者の保護を目的とし、2025年4月の開始を予定しています。
JCNEは2016年に設立され、これまでにも「グッドガバナンス認証」や「ベーシックガバナンスチェック」といった評価事業を行ってきました。これらの取り組みにより、累計で1,500以上のNPOが評価を受け、組織の透明性や運営の適正化が図られてきました。しかし、依然としてNPOに対する信頼性には課題が残っており、2023年に実施された「NPO信頼性調査」では、信頼すると回答した人はわずか20%という結果が出ています。
このような背景を受けて、JCNEは新たな評価認証制度の構築に乗り出しました。この制度は、NPOに対する信頼性の向上だけでなく、寄付や助成金を通じて支援する個人や団体に向けて、信頼できるNPOかどうかを確かめるための情報を提供することを目的としています。そして、認証マークを設け、それを指標として寄付者がNPOを選ぶ際の判断材料とすることが期待されています。
新制度の特徴
新制度では、次のような価値提供が目指されています。
- - 支援者への安心感: 信頼できる団体についての信用情報を提供し、支援者が安心して寄付できるようにする。
- - NPOへのキャパシティビルディング: NPOのガバナンスを高めるための支援を行うことで、信頼性を向上させる。
- - 資金の循環: 支援が円滑に行われるように、信頼性の高いNPOが提供されることで、社会全体の資金循環を促進する。
この新制度は2025年4月に施行予定で、具体的な運用方法については2025年1月に詳細が発表される予定です。また、JCNEは企業や助成団体との連携を進め、これらの新制度への関心を持つ団体との個別の説明会を行うとしています。この制度に興味のある企業や団体は、公式サイトから問い合わせをすることができます。
対象団体と評価ポイント
新たに設けられる評価制度の対象となる団体は、法人格を有し、公益活動を中心に運営している非営利組織です。具体的には、以下の要件を満たす団体が対象になります。
- - 特定非営利活動法人(認定・特例認定を含む)
- - 公益社団法人及び公益財団法人
- - 一般社団法人及び一般財団法人
- - 社会福祉法人
この制度では、組織運営の観点から以下のポイントを評価します。
- - 非営利性の確認
- - ガバナンス機関や資金管理、情報公開の状況
- - コンプライアンスに関するチェック
制度の具体的な評価料や運用に関する詳細は今後発表される予定です。現行の「グッドガバナンス認証」と「ベーシックガバナンスチェック制度」は、2024年12月末をもって新規受付を終了しますが、既に評価を受けた団体については2028年3月まで効力が継続されます。
JCNEは今後も多様なセミナーや説明会を通じ、NPOの透明性や信頼性向上に向けた取り組みを強化していく方針です。
詳細はJCNEの公式サイトをご確認ください。