デンソーエンジン機器技術部が取り組んだ哲学対話
株式会社デンソーのエンジン機器技術部に所属する三島崇生さんと曽根遼太さんを中心に、同部内の7名が参加した「哲学対話」が注目を集めています。この取り組みは、従来の上下関係を超えたフラットなコミュニケーションを目指すもので、今後の組織文化にどのような影響を与えるのか探っていきます。
哲学対話とは?
今回実施された哲学対話は、哲学者がファシリテーターとなり、参加者が自由に意見を交わす対話手法です。本来の哲学の学びとは異なり、各自が問いを立て、考察を深めることに重きを置いています。このプロセスを通じて、心を開き、既存の考えに対する視点を再定義することが期待されています。
持続的なコミュニケーションの必要性
三島さんは、哲学対話がきっかけで「自分で問いを立てて考えることの重要性」に気づいたと語ります。彼は当初、哲学の勉強をすることが主目的だと思っていたものの、実際には自己の内面を掘り下げ、同僚とのコミュニケーションを深めるきっかけであると理解しました。このような交流は、様々な階層の考えを知る貴重な機会になったのです。
曽根さんも同様に、普段からはなかなか話せない上司とフラットに対話できる時間を持つことができたと語っています。特に、普段は年齢や役職差から自由に意見を言うことが難しい環境で、哲学対話を通じて初めて互いの意見が真剣に交わされる場となったことに驚きを感じたようです。
対話の実施内容と成果
哲学対話では、「幸せ」というテーマについて参加者が自由に意見を述べ、哲学者がそれをファシリテートしました。参加者は各々の幸せの定義を共有し、互いの意見を理解することで、より多角的な視点を得ることができました。また、対話の後には専門家による分析レポートが提供され、考えを言語化する手助けにもなりました。
「通常の職場環境では、上司から指示を受けるだけの関係になりがちですが、哲学対話では自分から問いかけるスタイルができました」と、曽根さんは語ります。このように、一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが生まれたことがこの取り組みの大きな成果です。
未来に向けた展望
三島さんは、今回の哲学対話を通じて、部下とのコミュニケーションにおける認識のギャップを明らかにし、これを解消していく必要性を感じたと言います。また、今後も継続的にこのような対話の場を設けたいと意欲を見せています。
デンソーの取り組みは、職場におけるフラットなコミュニケーションの重要性を説く好事例として、多くの企業が学ぶべきモデルとなるでしょう。哲学対話は、単なる意見交換にとどまらず、深い思考を促し、個人の成長や組織文化の進化に寄与する力を秘めています。
結論
この哲学対話は、デンソーエンジン機器技術部にとって、新たなコミュニケーションの形を築く第一歩となりました。これが今後、他の部門や企業に広がっていくことを期待したいです。今後の再実施が待ち望まれます。
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