長瀬産業と日本通運がインドでサプライチェーン構築へ
長瀬産業株式会社とNIPPON EXPRESSホールディングス株式会社は、2025年12月8日にインド・ドレラ地区において半導体前工程向けの半導体材料供給に関する覚書を締結しました。この連携により、両社はインドにおける半導体産業の発展に寄与することを目指しています。
覚書の背景と目的
長瀬産業は、長年にわたってインドで幅広い事業を展開してきました。一方で、日本通運は半導体物流に関連するグローバルな活動を行っています。今回の覚書は、両社の強みを活かし、インドにおける危険品を含む半導体材料の輸送や保管に関する知見を深めることを狙いとしています。また、半導体工場への急速な投資が進むドレラ地区において、サプライチェーンの構築や地域の顧客との関係強化を図ることで、インド国内の半導体産業の発展にも寄与しようとしています。
長瀬産業の取り組み
長瀬産業は、経営計画の中で「基盤」「注力」「育成」「改善」という4つの領域を掲げています。特に「育成」領域では、新たな成長が期待される半導体分野での事業拡大を目指しています。NAGASEグループは1964年にインド現地法人を設立以来、様々な産業分野で商社機能を発揮し、強固なネットワークを築いてきました。2025年にはインドに5つ目の拠点となるプネ支店を開設し、事業展開をさらに加速する計画です。
日本通運の戦略
NIPPON EXPRESSホールディングスは「NXグループ経営計画2028」において、半導体を戦略的な重点産業として位置付けています。インド国内39都市に103の営業所を持ち、物流サービスをトータルで提供する体制を整えています。特に、半導体製造の重要拠点であるグジャラート州やアッサム州では、工場建設や装置搬入に関する物流業務を展開し、インフラ整備にも力を入れています。
半導体材料供給に向けたスキーム
これらの取り組みを通じて、インドの半導体産業における供給スキームを一層強化することが期待されています。覚書の締結により、長瀬産業と日本通運はともにシナジーを生み出し、インド市場におけるプレゼンスを高めることで、新たなビジネスチャンスを切り開くことを目指しています。両社の共同での取り組みが、今後のインド半導体業界にどのような影響を与えるのか、目が離せません。
結び
長瀬産業と日本通運による覚書の締結は、インド半導体産業における重要な一歩といえます。商流と物流の融合を通じて、インドの経済成長と市場需要に迅速に対応できる体制を整えることが両社の共通の目標です。今後も両社の進展に注目していきたいと思います。