エジプトでの風力発電所増設計画
エジプト・アラブ共和国において、株式会社ユーラスエナジーホールディングスと豊田通商株式会社が共同で建設中の「Gulf of Suez Wind FarmⅡ」が、設備容量654,000kWの計画に変更され、150,000kWの増設が決定しました。このプロジェクトはエジプト政府が掲げる2030年までの再生可能エネルギー比率42%の目標に応える重要な取り組みです。
「Gulf of Suez Wind FarmⅡ」は、今後、設備容量でアフリカ最大の風力発電所になり、さらに陸上風力発電所としても世界最大級の1基あたり7,500kWの発電機が20基設置されることになります。この増設によってエジプト国内の電力供給を強化し、再生可能エネルギーの活用を促進する役割を果たすことが期待されています。
事業の背景と目的
エジプト政府が「再生可能エネルギー発電比率を全電源比42%」という目標を掲げたことを受けて、ユーラスエナジーと豊田通商は、2019年に開設された「Gulf of Suez Wind FarmⅠ」に続く新たなプロジェクトとして、第Ⅱ期計画を推進しています。既存の風力発電所が262,500kWの設備容量を有している中、「Gulf of Suez Wind FarmⅡ」が加わることで、両発電所合計で916,500kWに達することになります。
共同事業者と建設進捗
このプロジェクトは、ユーラスエナジーと豊田通商のほか、フランスのエンジー社、エジプトのオラスコム・コンストラクション社の4社での協力によって進められています。2023年3月に建設が開始され、増設分を含む運転開始は2025年8月を予定しています。また、完工後は25年間にわたりエジプト送電公社に売電する計画が立てられています。
風力発電の普及とその影響
この風力発電所の完成により、エジプトの再生可能エネルギー電源の拡大に寄与し、持続可能な経済発展にもつながります。ユーラスエナジーと豊田通商のグループは、今後も協力しながらクリーンで低価格なエネルギーの普及を推進し、地球環境の保全や持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていくことを目指しています。
事業の概要
発電所名 | Gulf of Suez Wind FarmⅠ | Gulf of Suez Wind FarmⅡ |
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事業会社 | Ras Ghareb Wind Energy SAE | Red Sea Wind Energy SAE |
所在地 | エジプト・ガルフ・エル・ゼイト | エジプト・ガルフ・エル・ゼイト |
事業内容 | 風力発電および売電事業 | 風力発電および売電事業 |
設備容量 | 262,500kW | 654,000kW (増設後) |
売電先 | エジプト送電公社 | エジプト送電公社 |
総事業費 | 約4億米ドル | 約7億9,000万米ドル |
融資団 | 国際協力銀行 | 国際協力銀行 |
運転開始 | 2019年10月 | 2025年8月(予定) |
エジプトでの風力発電プロジェクトは、地域のエネルギー安定と環境保護のための重要なステップであり、今後の成果に期待が寄せられています。