地球的共生を目指す岡山大学の挑戦
2025年、岡山大学は国連大学と岡山市の共催により「第14回グローバルRCE会議」を岡山市で開催しました。この会議は、2005年に発足した地域の持続可能な発展のための教育(RCE)から20年を迎える節目の年を記念するイベントです。岡山大学はこのRCEの発足時から関与しており、世界中に約200のRCEが設立されています。
公式セッションの開催
会議期間中、岡山大学は「Planetary-centered Universities at the Ethical Turn」と題し、高等教育の倫理的な在り方や地球への貢献について正式なセッションを行いました。このセッションには、岡山大学の横井篤文副学長がモデレーターとして参加し、世界的に著名な研究者たちや学生が意見を交換しました。
議論の中では、持続可能性の課題は単なる科学や政治の問題ではなく、倫理と世界観の危機であるとの認識が示されました。これにより、大学の役割や使命が再考され、これまでのグローバルな視点から地球全体を見据えるプラネタリーな視点への転換が求められています。
新たな教育の方向性
ディスカッションでは、従来の社会経済活動を支える高等教育の枠組みを問い直し、「人類を地球システムの一部」として位置づける視点が強調されました。この転換は、大学が倫理的基盤としての新しい役割を果たす必要性を示唆しています。そこで、岡山大学は「エコシステムとしての倫理的再生」の重要性も提唱しました。
地域との連携による未来創造
今後、岡山大学は地域および地球の未来に向けて、様々なステークホルダーや世代間の連携を強化しつつ、教育、研究、社会貢献に取り組む方針です。その中で、高等教育の持つ多様な役割を重視し、地域との共創を進めていくことが期待されています。
会議には、英国エクセター大学副学長、南アフリカのステレンボッシュ大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)からの専門家らも参加し、国際的な視野での意見交換が行われました。彼らは、高等教育機関が持続可能性を目指す中で直面する課題や解決手段を探る貴重な機会となりました。
岡山大学の未来への展望
「第14回グローバルRCE会議」を通じて、岡山大学は持続可能な社会の実現に向けた再考の場を提供しました。今後の取り組みにも期待が寄せられています。地域中核として特色ある研究大学を目指す岡山大学の挑戦は、国内外で注目されることでしょう。この会議での議論が、新たな理念のもとでの教育や研究の進展へと繋がることを願ってやみません。
最後に、岡山大学は地域と地球における持続可能な未来共創の取り組みを加速し続けることを宣言しています。会議の詳細や今後の活動については、岡山大学の公式ウェブサイトやグローバルエンゲージメントセンターで情報提供していきます。