Mediiと協和キリン、FGF23関連疾患に向けた新たな協業開始
株式会社Medii(以下、Medii)と協和キリン株式会社(以下、協和キリン)は、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に関する新たな協業を発表しました。この取り組みは、医療現場での早期診断と最適治療の促進を目的としています。
協業の背景
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症は、体内のホルモンであるFGF23の過剰な作用によってリンが過剰に尿に排泄され、結果として低リン血症を引き起こす非常に希少な疾患です。この症状は、骨の石灰化が妨げられるため、骨の形状に変化が現れることや、痛みといった多岐にわたる症状が見られます。希少性が高く、特有の症状も少ないため、医師の診療経験が不足していることが多く、診断や治療方針の選択が難しい状況です。
その結果、患者が確定診断を受けるまでに長い時間がかかり、適切な治療を受けられないケースが多く見受けられます。そこで、協和キリンは、疾患の認知度を高めるための啓発活動に取り組むことになりました。
一方、Mediiは「誰も取り残さない医療」をミッションに掲げ、希少疾患や難病の早期診断と最適治療を目指しています。彼らが提供するオンライン専門医相談サービス「E-コンサル」は、多くの医師にとって頼りにできる存在となっています。これを通じて、医師が疾患に特化した専門医に無料で匿名相談できる環境を整えています。
取り組み内容
新たに立ち上がったエキスパート専門医チームによる相談窓口は、主治医向けに開設されました。この窓口を利用し、医師はFGF23関連低リン血症性くる病や骨軟化症に関する情報を取得したり、具体的な症例について相談したりすることができます。
また、協和キリンは医療関係者向けの医療用医薬品情報サイト「協和キリンメディカルサイト」との連携を進めており、Mediiの「E-コンサル」を活用した患者支援環境を整えています。これにより、FGF23関連疾患に苦しむ患者や医師にとって有益な資源が提供されることを目指しています。
E-コンサルの特徴
E-コンサルは、医師が専門的な相談を行えるプラットフォームで、1,200名以上のエキスパートが協力しており、926種類以上の疾患に対応しています。医師は完全に匿名で相談でき、必要に応じて複数の専門医と同時に話し合うことができるのが特徴です。これにより、患者にとって適切な診断や治療の選択がしやすくなります。特許も取得しているこのサービスは、医療現場のニーズに応えながら、医師の負担軽減にも寄与しています。
Mediiの理念
Mediiは、医師と患者が共に課題を理解し、その解決策を見出すことを目指しています。代表の山田裕揮氏自身が免疫難病患者である背景から、特に希少疾患や難病の早期診断と治療の最適化に力を入れています。医療が直面する難題を、より本質的な解決へと導くため、関係者との連携を大切にし、患者がアクセスしやすい医療環境の構築に努めています。
結び
Mediiと協和キリンの協業は、希少疾患の認知向上とともに、 FG23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の患者にとって希望の光となるでしょう。医療従事者と患者が共に手を携え、未来の医療を形作るために双方の知見を結集することが期待されます。