香りとAIの新たな研究
2025-11-28 09:28:21

東京大学とセントマティックが共同研究、香りと言葉の秘密を解明するプロジェクト

2025年度の日本味と匂学会第59回大会が大阪大学で開催され、東京大学大学院農学生命科学研究科の東原研究室とSCENTMATIC株式会社の共同研究成果が発表されました。この研究は、香りと言葉を相互に変換するAIシステム「KAORIUM」に関連するもので、2020年から始まったプロジェクトです。

本研究の主な目的は、香りがどのように脳で処理されるかを探ることです。研究者たちは、香りの源(何の香りか)や香りがもたらす印象(どんな気分を引き起こすか)に対する意識の向け方が、脳の活動に与える影響を調査しました。

実験の方法


研究に参加した33人のボランティアは、機能的MRI(fMRI)を用いて脳の活動を測定されました。実験中、参加者は2つの異なる条件で香りを評価するよう指示されました。
1つ目は「Source条件」で、香りの種類を当てることに注目。
2つ目は「Impression条件」で、その香りが引き起こす気分や印象に焦点を当てました。この際、4種類の香りを使って、それぞれの条件下で脳活動を比較したのです。

研究結果


研究の結果、香りの種類によって脳の処理がどのように変化するかが明らかになりました。特に、香りのどの側面に注意を向けるかによって、脳内での情報処理の仕方が異なることが示されました。このことは、嗅覚が感情や記憶に密接に関係していることを示唆しています。

この研究結果は、「KAORIUM」を使用する際に生じる脳の反応を裏付けるものであり、香りを言語化する体験がどのように脳に影響を及ぼすかを科学的に説明するものとなりました。この知見は、将来的に嗅覚インターフェースや感性情報処理分野における利用が期待されます。

共同研究の背景


セントマティックの「KAORIUM」は、香りを通じて新たな体験を提供することを目指しています。香りのデジタライゼーションを進めるこの新しい技術は、様々なビジネスシーンでの活用が期待され、国際的な評価も得ています。同社は、デザイン賞『A'Design Award』でシルバー賞を受賞した実績もあります。

本研究は、香りに対する理解を深めると同時に、それが社会に与える影響にも重要な示唆を与えるものです。今後さらに進化する「KAORIUM」とそれに関連する研究は、感性の進化と共に新しい価値を生み出すことでしょう。

東京大学大学院の東原研究室は、今後もこの分野の最前線での研究を続け、香りに関する新たな知見を得ることを目指しています。SCENTMATIC株式会社との共同研究から生まれた成果は、ますます興味深く、期待が寄せられています。


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会社情報

会社名
SCENTMATIC株式会社
住所
東京都渋谷区恵比寿4丁目22番7号 3階
電話番号

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