イトーヨーカ堂の供給網
2024-10-11 21:48:42

イトーヨーカ堂の供給網、全国に広がる取引高1.8兆円の現状

イトーヨーカ堂(以下、ヨーカ堂)は、日本国内において大規模な供給網を構築しており、その影響は非常に大きいとされています。2024年7月時点で、ヨーカ堂を中心とするサプライチェーンには、なんと1万485社が関与しており、関連する取引高は驚異の1兆7706億円に達しています。これは、ヨーカ堂の年間売上高8149億円の約2.2倍という巨額の取引を示しています。

しかし、過去5年間を振り返ると、社数は微減にとどまるものの、取引高は1627億円、約8.4%の減少を記録しています。これはやはり、地方での店舗閉鎖が直接の要因であり、全国の供給網が維持されているとはいえ、売上規模の縮小は避けられない状況です。

供給網を構成する企業は多岐にわたり、業種別で見ると特に「一般貨物自動車運送」が872社と多くを占めています。これは、配送業務が多いためであり、店舗間での物品供給や他社との取引が密接に関わっていることが伺えます。また、「他の食料・飲料卸業」も377社と人数が多く、特に生鮮食品を扱う企業が目立ちます。

さらに、都道府県別に見てみると、特に東京都においては2526社がヨーカ堂の供給網に関与しており、取引高も1兆1314億円と他の地域を圧倒しています。首都圏エリアは、社数で約4割、取引高では約7割を占めていることから、ヨーカ堂の供給網は首都圏に特に偏っていることがわかります。

対照的に、5年前と比較すると、特に社数が大幅に減少している地域も見受けられます。特に北海道では、650社から583社に減少し、10.3%という大きな減少率が記録されています。これは、既に発表されているように北海道全域の閉鎖決定が影響を与えていると考えられます。

取引の多くを占めていた企業が供給網から外れることにより、関連する中小企業に影響が及ぶ可能性も示唆されています。このような地域によって異なる供給網の状況は、今後の事業戦略に大きな意味を持つことでしょう。

また、元々のビジネスモデルにおいてアパレル業も強いということから、衣料品関係の仕入れを担う企業も含まれています。婦人服や子供服の卸業者も多く見かけられ、衣料品分野に関してもヨーカ堂は強みを持っています。

さらには、最近ではカナダのアルファメンタシォン・クシュタール社からの買収提案も受けていることが伝えられています。これは、セブン&アイ・ホールディングスの企業価値向上策の一環として、ヨーカ堂の事業再編が進められていることを意味します。今後、非中核事業の整理が進む中で、約33店舗が2026年までに閉鎖される方針が明らかになっています。

このような事業再編は、供給網における中小企業にどのような影響を与えるのかが注目されます。特に生鮮品を供給している企業にとっては、元々の顧客が減ることでビジネスの維持が難しくなる可能性があります。このような変革が進む中で、今後の動向に注視することが重要です。


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