海苔養殖を守る
2025-06-05 09:50:58

鳥羽商船高専ezaki-labが経済産業大臣賞を受賞!海苔養殖の未来を守るシステムとは

鳥羽商船高専ezaki-labが手がけた海苔養殖支援システム



令和7年5月、東京・渋谷ヒカリエホールで開催された第6回高等専門学校ディープラーニングコンテスト2025において、鳥羽商船高等専門学校の学生チームezaki-labが経済産業大臣賞を受賞しました。彼らが受賞した理由は、海苔養殖を食害から守るために開発したシステム「めたましーど」にあります。

高専ディープラーニングコンテストの意義



このコンテストは、高等専門学校(高専)に通う学生たちが日常的に身につけている「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を通じて社会課題の解決に挑むイベントです。参加者は、学生たちの創造性と技術力を活かし、企業からの評価額を競います。今回は過去最多の95チームがエントリーし、その中から10チームが本選に進出しました。

「めたましーど」の開発背景



海苔養殖は三重県で盛んに行われていますが、海苔の生産量はここ10年で30億枚も減少しており、供給が需要に追いついていない現状があります。ezaki-labがこの問題に取り組んだ背景には、海苔養殖の生産者と共に現場を訪れた上での課題理解がありました。特に、海苔に対する食害は深刻であり、カモやクロダイなどの動物による被害が明らかになっています。

システムの特徴



「めたましーど」は、音とレーザーを活用してカモを追い払うシステムです。全方位を撮影できるパン・チルトカメラを用いて、撮影した画像にカモが写っているかを識別し、忌避音を出すと共にレーザーを照射する仕組みになっています。このシステムは、ディープラーニングによって高精度にカモを識別し、人や船への誤照射も防げるのが特徴です。また、昼夜を問わず操作できるため、海苔生産者の負担を軽減することができます。

受賞の瞬間とその後



本選での発表時、ezaki-labが提示した「めたましーど」の企業評価額は1億5000万円に達し、これにより経済産業大臣賞と複数の企業賞を手にしました。学生たちは、この成果を実現するために、地域の海苔養殖生産者と密に連携して開発を進めてきました。この関係性が、地域のニーズに応える姿勢を反映していると言えます。

期待される社会実装



今後の展望について、ezaki-labのリーダーを務めた北仲一登さんは、実証実験を重ね、社会実装への第一歩を踏み出す意気込みを語りました。特に、今秋の海苔養殖シーズンに向けて、システムや機器のブラッシュアップが行われる予定です。

鳥羽商船高等専門学校について



鳥羽商船高等専門学校は、1881年に設立された国内でも最も歴史のある商船系高等専門学校です。エンジニアリングと船員育成を行っている同校は、地域社会に貢献しながら優れた人材を輩出しています。

「めたましーど」が実際にどのように海苔養殖を変えていくのか、今後の動きに注目です。


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会社情報

会社名
独立行政法人国立高等専門学校機構
住所
東京都八王子市東浅川町701-2
電話番号

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