東京・虎ノ門に新たな文化の拠点「TIGER MOUNTAIN」
2025年2月、東京のビジネスエリア、虎ノ門にオープンした「TIGER MOUNTAIN(タイガーマウンテン)」は、書店とギャラリーの機能を併せ持つ新しい複合文化施設です。数ある書店の中でも、特に注目を集めるのがデザイナー特集の書棚構成。日本の装丁家やデザイナーに焦点を当てたこの本屋は、約3,500冊の古本を扱い、デザインに特化した展示も行います。
場所は虎ノ門ヒルズと麻布台ヒルズの中間、非常にアクセスが良い路面店で、ブライアン・イーノの名盤のタイトルからもインスパイアされた店名は、中国の現代京劇「智取威虎山」が由来です。企画・運営は、コンテンツレーベル「黒鳥社」が担当。これまで、書籍やポッドキャスト、イベントなど多様なコンテンツを手掛けてきた彼らがリアルな書店を運営する初めての試みです。
書店スペースのこだわり
「TIGER MOUNTAIN」では、特に日本の出版文化を大切にし、1960年から1990年代にかけて、様々なデザイナーによるユニークな装丁が施された本をセレクトしています。その数は実に約100名のデザイナーに及び、横尾忠則や杉浦康平など著名なデザイナー作品を含む多彩なジャンルの本が揃っています。古本が中心ですが、その中にはエッセイ、小説、アートやデザインに関するもの、人文書、じつに多様な体裁の本が展開されています。
具体的なデザイナーには、粟津潔や安野光雅、石岡瑛子などが名を連ね、アートファンやデザイン愛好家にとってはたまらない空間です。訪れるたびに新たな発見があるでしょう。
ギャラリースペースでのアート体験
書店だけでなく、ギャラリースペースでは注目のデザイナーやアーティストによる企画展も不定期で開催されます。これにより、アートとデザインの相互作用を楽しむことができる絶好のチャンスと言えるでしょう。2025年からは米山菜津子氏による初の個展も控えており、さまざまなクリエイターの作品が集まる場となる予定。
今後、さまざまなプロジェクトが展開されることが予想される中、「TIGER MOUNTAIN」のギャラリースペースは、アートのみならず食や音楽などジャンルを超えたイベントを予定しています。
訪れる価値のある場所
書店としてだけでなく、ギャラリーとしての魅力も兼ね備えた「TIGER MOUNTAIN」。また、東京の中心部に位置し、ビジネスマンや観光客にも利用しやすい立地なので、これからの文化スポットとしての役割にも期待が高まります。オープンは水曜日から土曜日までの夕方と日曜日の限定的ながら、充実した時間を提供しています。月曜日と火曜日、祝日は定休日で、貴重な時間を持たせてくれる書店です。
アートやデザインが好きな方、また日本の出版文化に興味を持つ方は、ぜひ一度は足を運んでみてください。新しい発見が待っていることでしょう。