京都国際写真祭サテライトイベント「KG+」での出展
2025年、京都で開催される「KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)」のサテライトイベント「KG+」において、注目のアーティスト、パメラ・トゥリゾが自らの作品を発表します。彼女のアートは、視覚だけでなく、社会的なメッセージをも伝える力を持っています。
出会いの背景
パメラ・トゥリゾと高級ブランド、パルファン・クリスチャン・ディオールのつながりは、2020年に始まりました。その年に開催された「ディオール ヤング フォトグラフィー&ビジュアル アーツ アワード」で、彼女が発表した作品「ダブル アイデンティティー」が最優秀賞を獲得したのです。このシリーズでは、アフリカ人女性のアイデンティティーに関する豊かさと葛藤をテーマに、彼女の独特の視点で切り取られた13点のカラーセルフポートレイトが高く評価されました。
新たな作品「Mababu ‒ 先祖の霊」
トゥリゾが「KG+」で展示する最新作「Mababu ‒ 先祖の霊」では、アフリカ大陸における奴隷制度の歴史を再解釈し、再現しています。大西洋奴隷貿易に関連するプランテーション労働や家事労働、さらには性的搾取に焦点を当て、見過ごされがちな女性たちの役割を浮き彫りにします。彼女たちが直面した苦難や運命を描くことで、自由や希望の象徴ともなる作品シリーズになっています。これらの12枚のフォト作品は、その勇気と不屈の精神を祝福するものです。
衣装とメッセージ
トゥリゾは作品において自ら衣装をデザインしています。彼女によれば、「衣装は色や形、テクスチャーを通じて物語をより鮮明に伝えます」とのこと。特に明るい色は希望と命を吹き込むものであり、作品作りには欠かせない要素です。その美しい衣装は、困難を共に乗り越えてきた女性たちの美しさへ敬意を表わしています。また、編み込まれた髪型は、彼女たちが搾取の場から逃れられる道を示す「地図」としての役割も果たしています。
展示の詳細
「Mababu ‒ 先祖の霊」シリーズは、京都市東山区のSferaで展示されます。会場は、パリのヨーロッパ写真美術館のアートディレクターであるクロチルド・モレットによってデザインされたミニマリストなもので、親密なインスタレーションが展開されます。トゥリゾが祖国とその人々へ抱く愛と希望が、作品を通じて強く打ち出されることでしょう。
展示情報
- - 日程:2025年4月12日(土)~5月11日(日)
- - 会場:スフェラ・ビル(〒605-0086 京都市東山区縄手通り新橋上ル西側弁財天町17)
今回の展示は、アートを通じて社会の問題に対する意識を高める重要な機会です。「KG+」を訪れれば、パメラ・トゥリゾの作品を通じて彼女の強いメッセージを直接受け取ることができるでしょう。