株式会社スギノマシンが開発した新型モバイルマニピュレータ
進化するロボット技術
富山県滑川市に拠点を置く株式会社スギノマシンは、業界最小クラスの筐体に自律走行と多関節マニピュレータを搭載した新型モバイルマニピュレータ「CMR-3Dシリーズ」を開発しました。このロボットは最大可搬重量20kgを実現し、狭いスペースでも快適に稼働できる特長を持っています。
モバイルマニピュレータとは
モバイルマニピュレータは、移動可能なロボットに物を持ち上げて操作するマニピュレータを搭載しているロボットです。自律走行で工場内部を移動し、部品搬送や機械操作など多岐にわたる作業が可能。これにより、新たな人手不足対策として期待されており、多品種少量生産の効率化にも寄与します。
開発の背景
製造業においては、人手不足や多品種少量生産への高い適応能力が求められています。しかし、従来のモバイルマニピュレータは移動性能が制約され、狭小スペースやレイアウト変更が頻繁な現場での利用は難しい状況でした。この課題に取り組むため、スギノマシンは省スペースかつ高機動性を考慮した自律走行ロボットを開発しました。
特長
1. 全方向自在移動
「CMR-3Dシリーズ」はTriOrb社の球駆動式全方向移動プラットフォーム「TriOrb BASE」を搭載し、狭い通路や機械の隙間でもスムーズに移動することができます。これにより姿勢を維持したまま瞬時に全方向への移動が可能となり、効率的な作業フローを実現します。
2. 最大可搬質量20kgを実現
搭載されているFANUC製の協働ロボット「CRX-20iA/L」は、最大20kgの可搬能力に対応。また、移動本体は約100kgの積載が可能です。
3. コンパクト設計
本体サイズは(L)760×(W)680×(H)1,255mmと非常にコンパクトで、装置の近接が可能です。この設計によりアーム性能を最大限に活用でき、既存のレイアウトを保持しながらの導入が可能です。
4. 高速移動と高停止精度
「CMR-3Dシリーズ」は、無荷重状態で1.0 m/sの速度を実現し、標準仕様の停止精度は±20mmです(オプション利用で±10mmに向上)。
仕様
- - 商品名:CMR-3Dシリーズ
- - 使用ロボット:CRX-20iA/L(FANUC製協働ロボット)
- - 駆動部:TriOrb社製 TriOrb BASE
- - 最高速度:1.0 m/s
- - 最大可搬質量:20kg
- - 連続稼働時間:4時間
- - 充電方式:非接触充電
- - 停止位置精度:±20mm
- - 走行方向:360度任意の方向
発売情報
「CMR-3Dシリーズ」の受注は2025年12月3日から開始予定で、3年間で30台の販売を見込んでいます。
本商品は、2025年12月に東京ビッグサイトで開催される「2025国際ロボット展」で初公開される予定で、当社のブースでは実際のデモンストレーションも行われます。
お問い合わせ先
株式会社スギノマシンRI事業部RI技術部
TEL:076-477-2554
会社概要
株式会社スギノマシンは、1936年に設立され、高圧ジェット洗浄装置や協働ロボットを専門としています。
公式ウェブサイトは
こちらです。