運動会の開催時期は変わった?温暖化とコロナがもたらした新たな潮流
近年、運動会の開催時期に変化が見られています。特に顕著なのは、9月の開催が減少し、11月に行われるケースが増えていること。この現象の裏には、地球温暖化の影響とコロナ禍による生活様式の変化が大きく関与しています。これらの要因が、運動会の「時期」と「形」をいかに変えたのかを探ります。
運動会の開催時期の変遷
2016年には、運動会のピークは9月から10月にかけてでした。しかし、現在ではその開催時期に明らかな変化が出ており、9月の開催は徐々に減少しています。2025年度のデータでは、9月の運動会が10年前と比較して約8ポイント減少し、11月の開催は約3倍という急増を見せています。
平均気温の上昇も、この変化を促す要因となっています。具体的には、2023年9月の平均気温は26度で、10年前よりも2度も上昇しており、運動会は「秋晴れ」の季節から、「涼しくなった晩秋」へとシフトしています。これは、子どもたちの健康や安全を考慮した結果とも言えます。
現場の切実な声
各地の実際の保育現場でも、運動会の開催時期の見直しが進んでいる様子が伺えます。千葉県市川市の「わたぐも保育園」では、秋に計画されていた運動会を春に移行しました。理由は「暑さ」が主で、夏の間に行う練習においても外の移動ができないことが課題でした。加えて、過去に大型台風の影響で開催を延期せざるを得なかった経験も、春開催の大きな要因となっています。
一方で、茨城県守谷市では、運動会の開催日が徐々に11月に後ろ倒しになる傾向があり、その要因は10月の暑さだけでなく、他の行事のスケジュールのずれ込みも関与しているということです。全体的に、暑さによる影響が広がっていることが浮き彫りとなっています。
コロナ禍による新たなスタイルの定着
2020年のコロナ禍は、運動会の方式にも大きな影響を与えました。感染症予防策として、多くの園で午前中だけの短時間開催が実施され、その結果、2020年度の運動会平均時間は過去10年で最短となりました。これ以降、短時間開催は定着し、保護者にとっても参加しやすく、運営側でも負担が軽減されたことからメリットとして受け入れられています。
10年の変遷を経て
「はいチーズ!」が過去10年間にわたり運動会を撮影し続ける中で、社会の変化が行事のあり方に直接影響していることが分かりました。運動会は単なる行事ではなく、子どもたちの成長の記録でもあります。今後も、「はいチーズ!」は保育現場と家庭をつなぐ役割を果たし続け、データと写真の力で子どもたちの笑顔を未来へと残します。
おわりに
このように、地球温暖化やコロナ禍の影響で運動会の開催時期や形式が変化していることは、子どもたちや保護者にとっても重要なトピックです。今後も、社会の動向を見極めつつ、より良い運動会の形を模索していく必要があるでしょう。