伊藤忠商事と商船三井が環境属性証明書で脱炭素化推進
昨今の気候変動問題に対する取り組みが求められる中、伊藤忠商事株式会社と株式会社商船三井は、環境属性証明書を活用した脱炭素化のための覚書を締結しました。この戦略的提携により、両社は運輸業界におけるGHG(温室効果ガス)排出量削減を目指します。
環境属性証明書の重要性
環境属性証明書とは、企業が間接的に排出するGHGを削減するための効果を「証書」として発行し活用できる仕組みです。特に重要なScope3排出量の削減は、サプライチェーン全体が連携を取ることで初めて実現可能となります。この覚書に基づいて、伊藤忠商事と商船三井はそれぞれ、ユーザー企業が利用するサービスのGHG排出量を削減しやすくするための取り組みを進めています。
相互売買の実施
今回の提携においては、商船三井が航空機出張に伴うGHG排出削減のために伊藤忠商事の「空」の環境属性証明書を購入し、逆に伊藤忠商事は海上輸送に伴うGHG排出削減のために商船三井の「海」の証明書を購入しました。この相互売買により、両社が互いの強みを生かしながら協業を進めることが可能になります。
123Carbon社のプラットフォーム
取引は、オランダの環境テック企業123Carbonが提供するプラットフォームを介して行われました。このプラットフォームでは、環境属性証明書の発行や移転、保管までが厳格な監査体制のもとに管理されており、その透明性と信頼性が確保されています。これにより、企業は効果的にGHG排出量のトレースを行うことができるのです。
脱炭素への一歩
商船三井は、船舶用低炭素燃料の使用を通じて、伊藤忠商事はSAF(持続可能な航空燃料)の利用を行っており、双方がしっかりと連携することで、企業全体のScope3排出削減を支援する新しい仕組みを構築しています。この動きは、運輸セクターの脱炭素化に向けた具体的なアクションとなることでしょう。
商船三井グループのビジョン
商船三井グループは「環境ビジョン2.2」を掲げており、ネットゼロ実現に向けたビジネスモデル構築を目指しています。2025年に設立予定のカーボンインセットプログラム「BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE」では、業界全体の協力を通じて脱炭素を進める取り組みが行われます。これは伊藤忠商事とのパートナーシップを通じた関連ステークホルダーとの共創の一環でもあります。
このように、伊藤忠商事と商船三井の戦略的提携は、日本の運輸セクターにおいて初めてとなる新たな脱炭素推進のモデルケースを生み出す可能性を秘めています。環境を意識したサプライチェーンの強化が、今後の企業の競争力を左右するのです。