エンタープライズ営業における競合優位性の新たなアプローチ
株式会社EmpowerXが実施した調査では、エンタープライズ営業において「良いプロダクトなのに競合に負ける」といった現状が浮き彫りになりました。550名の営業担当者を対象にしたこの調査は、製品提案に加えて「情緒的な働きかけ」の重要性が増していることを明らかにしました。
1. 営業環境の変化
エンタープライズ営業においては、製品や価格だけでの差別化が難しくなってきています。商談が長期化し、多くの意思決定者が存在するため、企業は競争優位性を確保するために新たな戦略を模索する必要があります。この中で、製品提案以外の要素、特に情緒的アプローチが勝敗を分ける要因として注目されています。
2. 組織的アプローチの実施状況
調査結果によると、エンタープライズ顧客に対する情緒的アプローチの実施率は低く、50.55%の企業が「特に実施していない」と回答しました。一方、実施している企業のアプローチには、役員を交えた会食や担当者の関心を踏まえたコミュニケーションが含まれ、信頼構築が重視されていることがわかります。こうしたアプローチを行うことで、競合との差別化が図れる可能性があります。
3. 意思決定スピードの向上
情緒的アプローチを実施している企業の69.8%が、意思決定スピードが向上したと実感しています。このうち、約40.8%は15日以上の短縮を達成しており、営業プロセスへの影響が大きいことが示されています。しかし、その一方で約3割の企業は、施策の効果を確認できておらず、施策の効果測定が不十分であることも浮かび上がりました。
4. 稟議資料への関与状況
過半数の企業が顧客の稟議資料に関与していないことが判明しました。担当者に任せる姿勢が強く、実際の支援が不足しているのが現状です。しかし、この稟議における支援を強化することで、競合に対する明確な優位性を確保することができると示唆されています。特に、顧客の稟議プロセスの理解と情報提供を通じたアプローチが求められています。
5. 競合の契約情報の把握不足
競合の契約更新時期を把握している企業はわずか19.8%であり、約半数は把握できていないことが判明しました。また、把握しているものの特別な施策を行っていない企業も30.4%を占めており、ここに大きな機会損失が存在しています。契約更新のタイミングを捉えたアプローチの重要性が顕在化しています。
6. リプレイス時の資料評価
顧客が競合からの切り替えを検討する際に評価される資料には、導入後の成功事例や現行ベンダーとの比較表が上位を占めています。具体的な成果データや差異が顧客の意思決定を後押しすることがわかり、汎用的な資料はほとんど評価されていません。
7. 商談中の別ルート接触
商談中の企業に対して別ルートから接触する企業は非常に少なく、64.3%が実施できていません。商談の場での関係構築だけでなく、複数の意思決定者や影響者への接触が組織的に行われることは、営業の成功に欠かせない要素となっています。
総評
本調査を通じて、エンタープライズ営業における情緒的アプローチや社内提案支援が意思決定を加速させる効果が確認され、本調査の結果は競争優位性を高めるための大きな指針となるでしょう。多くの企業がこの領域における差別化の余地を持っていることは、今後の営業戦略に向けた重要な示唆と言えます。調査結果を意味ある形で活用し、営業プロセスの改善に取り組むことが求められています。
この調査の詳細なデータや全体像は、
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