2025年の不動産市場動向:住宅購入人気駅が変化する理由とは?
不安定な経済状況や為替市場の影響が続く中で、株式会社TERASSが発表した「TERASS Market Report」2025年4月版は、特に住宅市場の構造的な強さに光を当てています。このレポートでは、居住用と投資用不動産の動向に関して詳しく紹介されています。
居住用不動産の価格推移
居住用不動産に関するデータを見てみると、東京都の住宅市場は上昇傾向を示しており、逆に神奈川県、埼玉県、千葉県では価格が横ばいかやや下落しています。特に、中古マンションの成約平米単価は安定しており、一都三県の中で東京都の需要が高まっています。これは、特に東京都内の在庫が減少している影響が大きいと考えられています。
新築戸建の市場では、東京都と千葉県で新たな価格上昇が観測されており、全体としてはコロナ禍前と同水準まで回復してきたことが注目されます。しかし、2024年以降は在庫が減少する傾向が見られ、今後の市場動向には要注目です。
住宅ローンの金利動向
住宅ローンの金利は、2024年7月を底に上昇に転じ、特に2024年10月には大きな上昇がありました。この流れは今後も続く見込みですが、円高による若干の下落兆候も見られるため、借入条件の選定は慎重に行う必要があります。
人気駅ランキング
約4万人が利用している家探しサイト「Terass Offer」で集計された人気駅ランキングも注目されます。2024年の下半期において、東京都では目黒が不動の1位を維持し、荻窪と吉祥寺が2位・3位にランクインしました。これに対し神奈川県は、横浜や武蔵小杉といったアクセスの良いエリアが依然として人気です。埼玉県では浦和がトップを維持し、その他の駅も都心へのアクセスが良好なエリアが人気を集めています。
千葉県では、浦安市や市川市が安定した人気を持ち、今後の動向にも注視が必要です。このように、都心価格の上昇が進む中で、周辺地域の住宅需要が高まっている点が特徴となっています。
投資用不動産の動向
投資用不動産領域では、区分マンションの利回りは下落傾向にあるものの、一棟マンションと一棟アパートは利回りが上昇している状況です。これは、需給バランスが崩れていることが原因と考えられます。特に、一棟物件では価格が上昇し、利回りが高い水準を保っています。
TERASS代表のコメント
最後に、TERASSの代表・江口亮介氏は、金利が1%時代に向かっている中での住宅購入について、賃料を払い続けることのリスクと、自宅を資産として捉える重要性を強調しています。2025年の住宅市場では、選りすぐりの物件を迅速に押さえることが重要であり、将来への資産形成に向けた行動が必要となるでしょう。
今後の不確実性の高い時代においては、自身のライフスタイルや家族計画に合わせた住まい選びが欠かせません。
このように、現在の不動産市場の動向は、各地域の特性を反映したものとなっており、今後の市場も要注目です。