2025年の求人調査結果について
株式会社アイデムは、2025年8月に行った求人応募に関する調査の結果を公表しました。この調査は、総合求人サイト『イーアイデム』の会員を対象とし、数多くのデータからパート・アルバイトおよび正社員希望者の年収希望や応募理由を探りました。
年収希望額の傾向
調査結果によると、パートまたはアルバイト希望者の約半数が106万円未満の年収を希望しています。具体的には、「100万円〜106万円未満」が26.7%、続いて「〜100万円未満」が21.7%と、106万円を超えないことを念頭に置く人が多いことがわかりました。一方、正社員希望者に目を向けると、約8割が300万円以上を希望していることが明らかになりました。具体的には、「300万円〜400万円未満」が45.6%、さらに「400万円以上」が31.6%を占めています。
このようなデータは、特にパートタイムの働き方において収入制限を意識する傾向が強いことを示唆しています。年収の壁を越えることに対する意識も強いため、企業は従業員のニーズに対応した柔軟な制度を検討する必要があります。
応募理由の背景
次に、求人に応募する際の動機について調査しました。パート希望者が最も多かった理由は「自宅から通いやすいから」で、これには45.8%が同意しています。続いて「希望の勤務時間数・日数が選べるから」が43.8%、そして「希望の勤務時間帯だから」が37.1%となっています。この結果からも働く場所のアクセスの良さや都合の良い時間で勤務できる柔軟性を重視する傾向が伺えます。
正社員希望者の主な理由としては、「希望する仕事内容だから」が38.6%と最も高く、次いで「能力や経験を活かした仕事ができそうだから」が36.8%、最後に「自宅から通いやすいから」が28.1%という結果になっています。つまり、希望する仕事を実現させようとする強い意欲が見え隠れしています。
応募件数の目安
応募件数に関する問いに対しては、42.4%が「2〜5件」と回答し、続いて29.7%が「件数に目安はなく、よい条件であればすべて応募したい」としました。「1件だけ」と答えた人は20.7%だったことから、おおよそ8割が複数の求人に目を向けていることが理解できます。これは、より良い条件を求める意識の高まりを示しています。
性別による違い
調査結果は性別によっても興味深い違いを見せています。パート希望者では、男性よりも女性の方が「自宅から通いやすい」と感じる割合が高く、また「希望の勤務時間帯だから」が女性で10.4ポイント高いというデータも得られました。正社員希望者では、男性は「能力や経験を活かした仕事ができそう」という動機が強く、逆に女性は「賃金が高いから」という理由を強く重視しています。
まとめ・企業への提言
2025年の調査を通じて、求職者がどのような年収希望や応募理由を持っているのか、その実情が浮き彫りになりました。パートタイムの仕事を希望する多くの人が106万円未満の年収を求めている一方、正社員希望者は300万円以上を目指していることがわかりました。また、応募理由や性別による意識の違いも興味深い結果を示しています。
企業は、これらの結果をもとに、働きやすい職場環境や柔軟な働き方を提供し、適切な評価制度を整えることで、従業員の定着や満足度を高める一助とすることができるでしょう。今後、さらなる調査を通じて、求職者のニーズを把握し、それに応じた施策を検討していくことが何よりも重要です。