朝日新聞、国際的な報道デザインで受賞
株式会社朝日新聞社の特集記事が、世界的に評価される報道デザインのコンペティション「ニュースデザイン協会(SND)」の紙面部門で優秀賞を受賞しました。この名誉は朝日新聞にとって、なんと6年連続の快挙となります。
この受賞作は「空襲警報やまぬウクライナ」というタイトルで、2024年2月24日付朝刊に掲載されました。特に注目すべきは、ウクライナにおけるロシアの侵攻下での人々の「日常」に焦点を当てているところです。非日常的な状況下にいる市民の視点を掘り下げ、遠く日本にいる読者にもその感情や「自分事」として捉えてもらえるよう工夫されています。
この特集記事では、長期の戦争がもたらす影響を考察し、ウクライナ当局が配信する空襲警報の情報をベースに、699日間のデータを取った上でその内容を分析しています。データジャーナリズムチームは、戦時下における人々の日常生活を可視化することで、読者に迫る新たな切り口を提案しました。
ビジュアルデザインの重要性
朝日新聞社では、40人ほどのデザイナーやエンジニアが所属し、ニュースの可視化に取り組んでいます。今回の受賞は、ビジュアルを通じてニュースをどれだけ魅力的に伝えられるかという挑戦の結果です。特に、創造的なビジュアルデザインが日本語という言語の壁を超えて評価されたことは大変意義深いものであり、デザイン部長の倉重奈苗氏はこう語っています。「いかにビジュアルを駆使してニュースを魅力的に伝えるか。その努力が評価されたと受け止めています。」
この特集記事は、日本タイポグラフィ年鑑2025においてもインフォグラフィック部門でベストワーク賞を獲得し、国内外からのダブル受賞となっています。
デジタル部門でも高評価
朝日新聞デジタルも高く評価されています。昨年、デジタル部門での受賞は11年連続となり、特集記事「巌より袴田さん獄中からの手紙」など複数の作品が優秀賞に選ばれました。デジタルメディアが日々進化する中、朝日新聞では情報の伝達方法が広がり続けています。
「空襲警報にさらされているウクライナの人々の『日常』を浮き彫りにする」というデザイナーの目標は、情報にアクセスする全ての人々に強いメッセージを届けることに成功しています。特に、インフォグラフィックスのデジタル化を進めることで、視覚的に視覚情報を把握しやすくなっています。
最後に
朝日新聞のこの業績は、報道の質や表現の重要性を示しており、媒体の一つの役割としての「情報の可視化」が更なる進化を遂げることが期待されます。未来の報道がどのように進化していくのか、非常に楽しみです。