新たな心理リスク「短所中毒」を解説する書籍が登場

新たな心理リスク「短所中毒」の解明

近年、企業現場では職場の生産性に影響を与える新たな心理リスク、「短所中毒」が注目されています。この現象は、自分自身や相手の短所に過度に焦点が当たり、改善の意識が逆に組織の信頼や協働力を低下させることを指します。経営コンサルタントである瀬川裕之氏が提唱するこの概念は、職場環境の改善に向けた新たな視点を提供します。

「短所中毒」とは？

「短所中毒」とは、相手や自分の短所を指摘し続けることで、信頼や協働の質が低下し、生産性がじわじわと損なわれていく心理習慣を指します。瀬川氏は、これが慢性的なコミュニケーションの問題を引き起こす原因であると説明しています。

具体的には、善意から始まった指摘が逆効果となり、職場内での信頼関係が徐々に損なわれていく様子を解き明かします。職場文化において「できていないところ」に目を向ける習慣が根付くことで、生産性の低下や離職の増加といった問題が現れるのです。

書籍の内容

今回、NK総研は「短所中毒」をテーマにした2冊の書籍をリリースしました。ひとつは特に管理職を対象にした『短所中毒管理職・リーダー編』、もうひとつは一般職向けの『短所中毒一般職・メンバー編』です。

これらの書籍では、短所中毒度を可視化できる診断チェックリストが無料で公開され、購入者には診断拡張版と強み発見ワークシートが特典として提供されます。これにより、職場での信頼関係や協働を取り戻すための具体的な実践策が提案されています。

社会的背景と影響

職場での人間関係が悪化すると、会議の質が低下し、相談が減り、意思決定が遅れるなどの現象が起こります。これらの問題は、さらに「残業の増加」や「やり直しの発生」をもたらし、目に見える形で生産性に悪影響を及ぼします。厚生労働省の調査によると、職場の人間関係が原因で辞めた人は男女でそれぞれ9.1％、13.0％に達しており、離職によるコストは数百万円にのぼることもあります。

短所中毒の症状

瀬川氏は「短所中毒」の3大症状を挙げています。
1. 批判視点の固定化 - 評価やフィードバックが短所起点になり、活発な会話が困難になる。
2. 信頼関係の崩れ - 指摘が継続すると相手が防御的になり、確認作業が増え、協働が停滞する。
3. 自己否定の連鎖 - 他者への批判が強まるほど、自分の短所にも過剰に意識が向くことでチャレンジ精神が萎縮する。

対策と読者特典

書籍の中では短所中毒度の診断チェックリストも収録されており、読者は自身の状態を簡単に確認できます。特に、50問のチェックリストでは心理習慣の傾向を把握することができ、職場環境の改善に向けたヒントも得ることができます。また、書籍購入者には特典として診断チェックリストの拡張版や、チームで使える強み発見ワークシートが提供されます。