2025年オフィス市場と物流市場の予測を徹底解析
コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社が2024年10月30日に発表した「2025年オフィス市場・物流市場マーケット予測」から、今後の動向を見ていきましょう。特にオフィス市場と物流市場の変化が、私たちの働き方や物の流れに与える影響は大きいと言えます。
これまでのオフィスマーケットの変遷
2019年頃には、企業の成長に伴い、多くのオフィスが拡張され、空室率は過去に類を見ない低水準でした。しかし、2020年から2022年にかけては、COVID-19の影響でリモートワークが普及し、企業はオフィス面積を縮小する方向へと舵を切りました。この結果、空室率が上昇し、オフィス不要論が影響力を持つようになりました。
2023年からは、リモートワークが定着する中で企業は出社の必要性を再認識しつつ、出社形態の見直しが進んでいます。従来の2019年以前とは異なる働き方が求められ、フリーアドレスなど柔軟なスタイルが広まっています。
2025年のオフィスマーケットの展望
2025年には、「オフィス環境改善」と「人材採用力強化」が引き続き重要なテーマとなるでしょう。この流れから、交通の利便性、立地条件および最新のアメニティを備えたオフィスビルが求められています。特に、コロナ禍で増加した空室が目立つ品川エリアの回復は、急速に進んでいます。
2025年には新規供給も増加する見込みですが、2023年に供給された大型オフィスビルの量は下回ると予想されます。竣工予定のオフィスビルは山手線東側に集中していることも特記すべき点です。テナントの入居率は良好で、東京全体の空室率には悪影響を及ぼさないでしょう。
今後のオフィス供給予測
供給は増加が見込まれていますが、2020年や2023年に見られた高水準と比べると、2025年の供給量は抑えられるとのことです。特に新築オフィスのテナント内部動向も良好で、経済の復活が影響を与えているようです。
物流市場の過去と未来
物流市場に関しては、2019年からネット通販の伸びが顕著でした。COVI-19の影響で「巣ごもり需要」が高まり、配送拠点としての物流施設の需要が急上昇。2023年から2024年にかけては、コロナ禍の影響で開発が進められた大型物流施設が次々に完成しましたが、ネット通販の成長は鈍化しています。
この背景から、物流施設の供給過剰が生じ、多くの新築物件で空室が目立つ現象が起きました。今後は、この需給バランスの改善と空室解消が大きな課題となります。
物流施設マーケットの課題
2025年の物流市場では、企業が選ぶ立地条件も見直され、同様にオフィスと同様のゼニア選定に偏在が顕著になると予測されます。また、建設コストが高騰しているため、賃料の値下げも難しく、空室の増加問題がしばらく続く見込みです。
東京圏の需給バランスと建設コストの影響
東京圏においては、供給が年によって変動していますが、需要水準は安定しています。今後の供給量は2024年より減少する見込みですが、過去の平均的な需給水準を上回る見通しです。
コリアーズ・ジャパンの概要
コリアーズは、ナスダック及びトロント証券取引所に上場する、世界的な不動産サービス企業です。68か国で展開している同社は、22,000人の専門家を擁し、テナントや投資家に向けた価値最大化のためのサービスを提供しています。コリアーズ・ジャパンは東京及び大阪に拠点を持ち、多様なサービスを展開しています。
今後も市場の動向に注目し、変化に対応する企業の姿勢が重要となるでしょう。