中国スマホゲーム市場の日本発IP調査
株式会社スパイスマートが実施した2024年12月の調査によれば、中国のスマホゲーム市場における日本発のIP(知的財産)作品は全体の12%を占めることが明らかになりました。これは前年同月の30作品から24作品へと減少したことを示しており、競争環境の変化が影響しているようです。
調査の概要
今回の調査は、中国のApp StoreセールスランキングでTOP200にランクインした日本発IPのスマホゲームを対象としました。調査の内容には、市場での日本発IPの割合、ジャンル別の分布、どのパブリッシャーがリードしているか、最新作の傾向などが含まれています。
ジャンル別の人気
特に注目すべきは、64.7%の日本発IP作品がRPGジャンルであることです。また、その中でもターン制RPGが25%を占め、最も人気のあるスタイルであることがわかりました。
新作の現れと競争
興味深いことに、中国TOP200内の約30%がリリース後1年未満の新作です。これはCOVID-19の影響によるゼロコロナ政策が解除された後、日本のIPとの開発や版権取得の活動が活発化した結果とも考えられます。ただし、これに伴い競争は激化しており、同じIPを利用したゲームが複数の企業からリリースされ、ユーザーが分散してしまう現象も見受けられます。
例えば、人気のIP「ワンピース」を使ったゲームは、2023年12月には4作品がTOP200に入ったものの、翌年には2作品しか残っていない状況です。また、IP「聖闘士星矢」のゲームも、3作品から2作品に減少するなど、過当競争の影響が顕著になっています。
企業別のトレンド
特にTencent Gamesが開発した作品が多く、12作がランクインしています。これはNetEase Gamesと比較しても、日本発IPを積極的に取り入れている傾向が見られます。しかし、それでも全体の数は減少しており、これは中国政府のオリジナルIP推奨政策によるものと考えられます。2024年12月に増加した新作の多くは、日本のタイトルを簡体字にローカライズしたものであり、中国独自の作品としては認識されにくい状況です。
今後の展望
このような背景の中で、政府の方針も影響し、日本IPスマホゲームの新作開発には慎重にならざるを得ません。市場においては、ローカライズ版でも最低限のユーザーを獲得できる見込みがあるため、日本のIPホルダーにとってはチャンスとリスクの両方が同時に存在する状態です。
スパイスマートは、東アジア市場に特化したスマホゲーム調査を行っており、今後も最新の市場トレンドを発信すると同時に、スマホゲーム業界とIPホルダー企業の成功に向けたサポートを行う予定です。詳細な調査結果は会員向けのレポートで提供されていますので、興味のある方は公式サイトをご覧ください。