Webユーザビリティランキング2025が示す企業サイトの新たなスタンダード
トライベック株式会社が発表した「ユーザビリティランキング2025<企業サイト(PC)編>」では、全15業界150サイトを対象に、企業ウェブサイトのユーザビリティを評価しています。今年の調査では、2024年8月から11月にかけて行われ、結果としてJ:COMが2年連続で1位を獲得しました。
調査の背景と意義
近年、特にアフターコロナの生活様式が広がる中、ユーザーのオンライン行動が変化しています。生成AIの普及やUGCの増加により、多様な情報にアクセスできる環境が整っています。このような状況において、企業は信頼性のある情報を発信し続ける必要があり、ウェブサイトのユーザビリティ向上がますます重要視されています。
本調査では、全体の平均スコアが昨年比1.92ポイント上昇し78.15点となりました。上位企業の多くは継続的にユーザビリティを改善し、自己のブランド価値を広めるための取り組みを行っており、全体としてのユーザビリティ向上に寄与しています。
トップ10の企業とその取り組み
2025年のユーザビリティランキングで上位に入った企業は以下の通りです。特に、三越伊勢丹やコスモ石油は大幅にスコアアップを果たし、これらの企業はウェブサイトリニューアルによって、ユーザーニーズに基づいた情報掲載や回遊性を高める工夫を行っています。
1. J:COM(1位)
2. 大日本印刷(2位)
3. 松井証券(4位)
4. 清水建設(3位)
5. 三越伊勢丹(63位)
6. 大同生命(5位)
7. ソフトバンク(19位)
8. 三井住友海上(7位)
9. リコー(11位)
10. UQコミュニケーションズ(6位)
特に、今調査の注目点は、サイトリニューアルによるスコアや順位の大幅向上です。3つのポイントが挙げられます。
1. 主なページにおける情報のわかりやすさ
評価の高い企業に共通して見られる改善ポイントは、情報の明確性です。サイトの顔となるトップページが特に重要視されており、企業の信頼性や印象を伝えるための工夫が評価されました。例えば、三越伊勢丹や三菱商事のサイトでは、主要コンテンツへの導線を優先して掲載しており、結果として順位が大幅に向上しました。
2. アクセシビリティへの配慮
近年、障害者差別解消法が改正され、民間事業者においても障害のある人への配慮が義務化されました。これに基づいて、企業のウェブサイトでもアクセシビリティの確保が求められるようになっています。今回の調査では、障害の有無にかかわらず誰もが利用しやすいウェブページ作りに取り組む企業が増加傾向にあります。昨年はたった1社だった評価受け企業が、今年は17社へと増加しました。
3. 全体的なデザインの一貫性
デザインの統一性が、サイトの回遊性の向上に寄与するとともに、視覚的な変化もユーザーにとっての使いやすさを向上させる要因となっています。リンクの配置やホバー効果などが見やすく整えられた企業サイトが特に評価されました。
終わりに
このように、Webユーザビリティランキング2025の結果からは、企業サイトの使いやすさに対する取り組みが着実に進んでいることが見て取れます。今後も企業は、ユーザー視点に基づいたウェブサイトの充実を進めていくことで、さらなる信頼関係を築いていくことが求められます。ウェブサイトの改善が、ビジネスの成長に直結する時代に突入しているのです。