新たな技術革新:エプシロンチェーンの登場
株式会社椿本チエインが、2024年10月1日より正式に販売を開始する「エプシロンチェーン™ステンレス仕様」は、世界最小のローラーチェーンとして注目を集めています。この製品は、幅広い分野での動力伝達を可能にし、小型化と高精度化の実現に貢献することが期待されています。
製品の特徴
「エプシロンチェーン」の最大の特長は、そのサイズが非常にコンパクトであることです。ピッチが1.905mmという小ささで、従来の最小モデルであるRS11の約半分の長さを実現しました。これにより、従来では難しかった狭いスペースでの動力伝達が可能になりました。特に、小型・軽量化が進む産業用ロボットのエンドエフェクタや医療・福祉機器において、エプシロンチェーンの適用が期待されています。
例えば、医療現場での機器は動力伝達の精度が求められますが、ベルトやワイヤーを使用する場合、駆動時にワイヤーが滑ってしまうという問題があります。その点、エプシロンチェーンを採用することで、より大きな力をより遠くに確実に伝えることができ、製品の精度向上に寄与します。また、産業ロボットの普及を支え、生産性の向上にも貢献することが期待されています。
長寿命と高強度
エプシロンチェーンは、世界最小サイズながら長寿命を実現するための工夫がされています。一般的な小型ローラーチェーンは、ローラを省略した構成が多い中、エプシロンチェーンはJIS規格準拠の5部品を用いて構成されています。このため、スプロケットとのスムーズな噛み合いが可能になり、摩耗を低減しています。
また、エプシロンチェーンは高強度な設計が特徴です。既存の加工技術と組立技術を活用し、引張強度が0.36kNに達し、質量は約1/3でありながら、最大許容張力は約1.4倍という優れた性能を誇ります。これにより、業務用機器やロボットの動力伝達においても頼もしい選択肢となります。
幅広い環境への適応
さらに、エプシロンチェーンは腐食環境に対しても強い設計となっています。チェーンを構成する全ての部品にステンレスを採用しており、洗浄作業や水回りでの使用にも十分対応可能です。これにより、医療機器など様々な環境で活用されることが期待されています。
発売情報
- - 発売日:2024年10月1日
- - 納期:応相談(受注生産品)
- - 販売価格:都度見積
椿本チエインの「エプシロンチェーン」は、今後の産業界において重要な役割を果たすことが予想されます。特に、医療や産業用ロボットの分野での活用が楽しみです。新たな動力伝達機構として、ぜひ注目したい製品です。
詳細な情報やお問い合わせは、椿本チエインのチェーン商品企画部までご連絡ください。