泉大津市とかつらぎ町が結ぶ農業連携協定
令和6年10月1日、泉大津市と和歌山県かつらぎ町は「農業を通じた連携による持続可能なまちづくり」を目的とした協定を締結しました。この取り組みは、両地域の農業を支え合い、健康的な食環境を提供することを目指しています。
協定の背景
泉大津市は市民の健康や食料危機への備えを意識し、令和5年3月に「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を策定しました。この構想では、特に都市部での農産物の安定供給を意図し、農業連携を進める必要があると認識しています。今回締結された協定は、全国で8例目のもので、かつらぎ町との連携を通じて、さらなる食糧安定確保を目指します。
かつらぎ町は、温暖な気候を生かしたフルーツ王国として知られ、特に「かき」や「すもも」などの多様な果物を栽培しています。これらの地域特性を活かしながら、教育の一環として「みかん」を学校給食に提供することからこの連携をスタートさせます。子どもたちの健全な成長と食育の推進も重要な目的です。
地域課題への取り組み
この協定は、単なる物資の交換に留まらず、かつらぎ町が抱える農業従事者の減少などの課題に対処するための手段でもあります。具体的には、消費地である泉大津市との連携を通じて、安定した生産と販売のルートを築くことで、遊休農地の有効活用や耕作放棄地の解消を図ります。そして、農業従事者の収入の安定や向上を促進することを目的としています。
地理的優位性の活用
両地域の地理的な近接性も、この連携の強みです。車で約1時間の距離に位置し、旬の農作物が供給できることは、消費の拡大にとって有利に働きます。また、地域間の交流を促進する農業体験事業など、新たな関係人口の創出にも寄与します。
今後の展望
協定の中には、以下の取組みが含まれています。
1.
持続可能なまちづくりに向けた農業連携の推進
2.
環境保全型農業の実践
3.
資源循環型農業の実現
4.
農業を通じた交流の創出
これらの取り組みを通して、双方の地域が共存共生できる関係を深めていくことが期待されています。泉大津市の「食」に関する施策はますます充実し、地元の農産物を利用した食育プログラムも進められることでしょう。
おわりに
泉大津市とかつらぎ町の連携は、持続可能な農業の確立と地域振興の好例として、多くの自治体にとって模範となる可能性があります。健康な食環境を築き、未来に向けた地域の発展を目指すこの取り組みに、今後も注目が集まります。