セガXDの新採用手法「イマーシブ採用」とは
日本のゲーム業界を代表する株式会社セガ エックスディー(セガXD)が、2025年4月22日より新たな採用手法「イマーシブ採用」の提供を開始します。この取り組みは、従来の選考方法に代わる新しいアプローチで、応募者の本来の姿を引き出し、企業とのミスマッチを防ぐことを目的としています。特に注目すべきは、この手法によって、2022年以降に入社した新卒社員の離職率が0%を達成している点です。
ゲーミフィケーションの活用
「イマーシブ採用」は、ゲーミフィケーションの仕組みを取り入れた没入型のグループワークです。応募者が楽しみながら参加できる場を設けることで、応募者の性格や才能を自然に引き出し、企業側も応募者を正しく評価できる環境を提供するという考え方が根底にあります。
ここで言うゲーミフィケーションとは、一般的にゲームのメカニズムを非ゲームの分野に活用することを指し、企業文化や業務内容を理解してもらいやすくする手段となるのです。
採用プロセスのデザイン
この新しい採用方法では、企業の課題を整理し、それに基づいたグループワークの設計が行われます。具体的には、企業のビジョンや事業内容を踏まえたストーリーを構築し、参加者が実務的な側面を体感できるように工夫されています。
グループワークのプロセスでは、参加者がリラックスした状態で問題解決に取り組むため、応募者自身が自然とその能力を発揮しやすくなります。この点が、従来型の面接やグループディスカッションとの大きな違いです。
ミスマッチ防止のメリット
「イマーシブ採用」が目指すのは、応募者と企業との正しい相互理解です。通常の面接や説明会では伝えられない企業の文化や価値観を体感することで、応募者は企業理解を深めやすくなります。それにより、応募者が持つ本質的な特性を見極めることが可能になるのです。
また、実際の業務に近い体験を通じて構築されるチームワークの中で、リーダーシップを発揮するタイプや内向的なタイプなど、さまざまな資質が見えてきます。これにより、従来の選考方法では見えなかった様々な側面を評価できるチャンスが生まれます。
実施事例と評価
セガXD自体の採用は、ゲーミフィケーションをコアメソッドとしたBtoB展開という独自の環境で行われています。そのため、応募者には企業の事業理解が難しいという課題がありました。それを受け、この「イマーシブ採用」により応募者はRPG(ロールプレイングゲーム)の要素を取り入れているため、楽しみながら企業の価値と文化を理解しやすくなっています。
実施後の応募者からは「わかりやすく、企業のことがよく理解できた」との声が多数寄せられ、採用担当者からも「自然な形で応募者の特性が確認できた」という意見が寄せられています。このように、グループワークによる選考が大きな効果を上げ、長期的な企業の成長にも寄与しています。
今後の展望
「イマーシブ採用」は、企業と応募者にとっての新たな相互理解の場となり、採用後の離職率を低下させる可能性を秘めている画期的な手法です。今後、多くの企業がこの手法を取り入れることで、より良好な雇用環境の構築が期待されています。
セガXDは、今後もゲーミフィケーションの力を活用し、企業の課題解決に貢献していく意向を示しています。