I-PEXが新たに開発した安全センサ「Smart Cloth」の登場

I-PEXが発表した「Smart Cloth」

I-PEX株式会社（京都府京都市）は、2025年12月より、人協働ロボットに最適な新しいセンサー「Smart Cloth」のエンジニアリングサンプルの受注を開始します。このセンサーは、独自の技術により人との接触前に約15センチメートルの接近を検知することができ、ロボットと人間の安全な協働を可能にします。

開発の背景と目的

これまでI-PEXは、静電容量型トルクセンサー「ESTORQ(R)」を使ってロボットが人と接触した際に直ちに停止するシステムを提供してきました。しかし、ロボットメーカーからは「人と接触する前に安全に停止できるシステムを求めている」というニーズが寄せられていました。市場には、汎用的で柔軟に使える近接センサーが不足しているため、I-PEXは導電布の特性に着目し、「Smart Cloth」を開発しました。

「Smart Cloth」の特長

「Smart Cloth」は、布製であるため形状を自由に変更できるという利点があります。これにより様々な形状のロボットや機器に簡単に取り付けられます。具体的な特徴は以下の通りです：

- 非接触方式：最大約15センチの近接を検知可能。
- 柔軟性：布製なので、対象に貼り付けたり巻き付けたりすることができ、容易に後付け設置が可能。
- 多様な用途：産業ロボットやAMR、サービスロボット、工作機械など幅広い分野に適用可能です。

使用用途の幅

「Smart Cloth」を設置することで、接触を避けたり安全を補助する目的で広範囲に利用できます。以下のような場所での設置が想定されています：

- 人協働ロボットのエンドエフェクタ
- 工作機械や半自動機のドア部分
- AMR/AGVの筐体
- 配膳ロボットなどの筐体

この他にも、アミューズメント、建設、介護分野など多岐にわたっての活用が期待されます。

仕様と展示会について

「Smart Cloth」の基本仕様は次の通りです：

- 製品名：セーフティ人感知センサ「Smart Cloth」
- 検出距離：最大約15cm
- 外形寸法：120mm × 600mm
- 重量：約100g
- 電源：DC24V

また、このセンサーは2025年12月3日から6日にかけて東京ビッグサイトで開催される「2025国際ロボット展」に出展される予定です。この展示では、「Smart Cloth」の機能や使い方が実際にデモンストレーションされることとなります。

I-PEXについて

I-PEX株式会社は、1963年に設立された企業で、精密金型から始まり、現在はコネクタや製造受託、MEMSファウンドリなど多岐にわたる事業を展開しています。世界的な技術開発の一端を担い、革新的な製品を提供し続ける企業です。また、センサー製品においても高度な技術を駆使し、安全性や快適性向上に寄与しています。

今後もI-PEXの動向に注目です。