世界骨粗鬆症デーについて
毎年10月20日は「世界骨粗鬆症デー」として世界中で骨粗鬆症の啓発が行われています。この日は、スイス・ジュネーブを本部とする国際骨粗鬆症財団(IOF)と世界保健機関(WHO)が1998年に定めたもので、多くの国が参加し、骨粗鬆症による骨折の防止を目的としたキャンペーンを展開しています。
骨粗鬆症検診の現状
日本においては、健康増進法に基づく市町村の任意検診が実施されています。対象は40歳から70歳の女性で、年に1回の検診が基本となっております。しかし、2022年度の受診率はわずか5.5%という低水準にとどまっています。これは、同年の乳がん検診の47.4%と比較しても明らかに低い数値です。
将来的には、「健康日本21(第三次)」において、女性の健康課題の一環として骨粗鬆症検診の受診率向上が掲げられています。検査を受けることで、骨粗鬆症の予防や早期発見が可能となり、適切な治療につながることが期待されています。
受診率向上の意義
研究によると、骨粗鬆症検診の受診率を現在の4.6%から6.9%に改善することで、2020年から2040年の20年間で約798,000件もの骨折を防ぎ、43億ドルもの医療費の節約が見込まれています。これは、全国民の健康維持に寄与する大きな施策となり得るでしょう。
世界骨粗鬆症デーの啓発活動
骨粗鬆症による骨折を減少させるためには、まず市民への啓発が不可欠です。しかしながら、日本ではこの日の重要性がまだ広く知られていないのが現状です。このため、公益財団法人骨粗鬆症財団では、ブルーライトアップという形で、市民に対する周知活動を行っています。
ブルーライトアップは、2017年に石川県金沢市と長野県松本市からスタートし、年々賛同者が増えてきました。2025年にはさらに多くの地域で、10月20日の夜に青い光で照らされる予定です。これにより、骨粗鬆症の予防に対する関心が高まり、地域の人々が積極的に検診を受けるきっかけとなることが期待されています。
2025年のブルーライトアップ実施予定
2025年のブルーライトアップの情報は、公益財団法人骨粗鬆症財団の公式ホームページで更新されています。各地域の実施場所や日時についての詳細も確認できますので、お近くでのブルーライトアップがあればぜひ訪れてみてください。
例えば、北海道のDo-Clinicや青森県の八戸市立市民病院、東京都の町田市役所庁舎など、多くの名所が青く照らされます。
International Osteoporosis Foundation(IOF)とは
まさに世界的な連携を持ち、骨粗鬆症や関連する筋骨格系疾患に対する啓発を行う最大の非政府組織で、343の団体が加盟しています。1999年から、世界統一テーマを掲げ、毎年WODを推進しているのです。2025年WODのテーマは「IT'S UNACCEPTABLE ~Stop the neglect of bone health!」。日本語では「もう無視できません。」というメッセージが届けられています。
まとめ
骨粗鬆症デーを通じて、骨折のリスクを減少させるための取り組みが進んでいることを理解し、個人としてもその重要性を認識することが求められています。検診の受診率向上が、未来の健康をつくる一歩になることが期待されています。