株式会社Piezo Studioは、AIデータセンターでの利用を目的に、高速・大容量通信を実現するための新たな水晶発振器を開発しました。この発振器は、発振周波数312.5 MHzの差動型で、位相ジッタはわずか17.9 fsという世界最小レベルを達成しています。今回の開発は、急激に広がるAI技術の需要に応え、特に通信速度が増加する中でのニーズに応えるものです。
AIデータセンターは、現在、400/800 Gbit/sから1.6 Tbit/sへと進化しており、その背後にはデータ通信の品質向上が求められています。これに伴い、基準クロックとしての役割を果たす低位相ジッタ水晶発振器に対する需要が日増しに高まっています。Piezo Studioは、超低位相ジッタのC級動作コンプリメンタリー・コルピッツ発振ICを用いて68nm CMOS技術でこの水晶発振器を開発しました。
さらに、株式会社大真空製のArkh.3G水晶振動子が、この新型発振器の重要なコンポーネントとして機能しています。Arkh.3Gは、その超小型サイズが特徴で、量産と販売がすでに開始されています。今回の発振器は、その発振特性においても優れた性能を持ち、キャリア周波数312.5MHzにおける位相雑音も-165.9 dBc/Hzを実現しました。
この発振器の開発には、高エネルギー加速器研究機構の宮原准教授との共同研究が大きな役割を果たしており、新しい技術の導入により、低位相ジッタを実現しています。今後、Piezo Studioは、さらなる製品化を進め、多様な用途に対応した高性能な水晶発振器の提供を目指しています。
また、データセンターのインフラは日々進化しており、今後も通信技術の進展が見込まれます。これに伴い、Piezo Studioが開発した発振器は、その高性能によって次世代の通信基盤を支える重要な役割を果たすことが期待されています。
アップデートに関する詳しい情報は、Piezo Studioの公式サイトや、関連のプレスリリースから確認することができます。