新たな可能性が開かれる抗不安研究
三重県の未利用資源を活用した抗不安に関する研究が進行中です。この取り組みは、ロート製薬株式会社と国立大学法人三重大学との共同研究によって推進されています。研究の対象となるのは、主に市場に流通しない天然物資源である新姫搾りかすとオリーブ葉です。専門家たちはこれらの資源に対して、抗不安作用があることを発見しました。
研究の経緯と目的
近年、ストレス関連疾患の増加が大きな社会問題となっています。そのため、不安感を軽減する天然成分の探索は重要なテーマとなっています。三重県は温暖な気候と豊かな土壌を持ち、多彩な農作物が生産されてもいる地域です。これらの資源はまだまだ未利用の状態にあり、効率的に活用するための研究が求められています。ロート製薬はこの課題を受け、地域資源の有用性を研究するプロジェクトを実施することに決めました。
ゼブラフィッシュを用いた実験
本研究では、ゼブラフィッシュというモデル生物を用いて、抗不安効果を評価しました。ゼブラフィッシュは、医学や生理学、薬理学の分野で広く用いられるモデルであり、彼らの行動を観察することで不安レベルを検証することができます。具体的には、新たな水槽に移したゼブラフィッシュの行動の変化を指標とし、オリーブ葉や新姫搾りかすを摂取したときの彼らの行動を観察しました。これにより、これらの素材に抗不安作用があることを確認しました。
具体的には、オリーブ葉および新姫搾りかすを摂取したゼブラフィッシュは、不安行動が改善されることが観察されました。これを示す指標としては、水槽の上部に到達するまでの時間や、水槽中央を往復する頻度、水槽の上部で過ごす時間の変化が挙げられます。
地域社会への貢献と今後の展望
この研究の成果は、地域社会への貢献やウェルビーイングの向上に繋がる製品開発に活用される予定です。具体的には、ストレスや不安に対する健康支援サービスや製品の開発に役立つでしょう。地域資源を効果的に活用した健康な体作りの支援を目指します。
また、この研究成果は2025年3月17日から19日にかけて、APPW2025にてポスター発表される予定です。参加者には、実際にどのような研究が行われ、どれほどの可能性が示されたのかを体感していただけることと思います。
まとめ
三重県における未利用資源の研究は、新たな健康価値を引き出すことに繋がる重要なプロジェクトです。地域の資源を活用することで、持続可能な社会の実現や地域経済の活性化が期待されています。今後の研究の進展に注目です。