LUIDAの革新
2025-09-10 12:42:20

メタバースの新たな実験基盤「LUIDA」が研究者に革新をもたらす

メタバースの新たな実験基盤「LUIDA」が研究者に革新をもたらす



2025年9月10日、クラスター株式会社は、同社が運営する国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を基盤とした大規模実験フレームワーク「LUIDA」を発表しました。このフレームワークは、東京大学および筑波大学との共同研究の結果生まれたもので、研究者や一般ユーザが自由に利用できるオープンな形で公開されています。これにより、さまざまな実験が簡易に行える環境が整いました。

LUIDAの目的と開始背景



LUIDAは「Large-scale Unified Infrastructure for Digital Assessments」の略称で、企業や研究機関が抱える実験における手間を軽減することを目的としています。従来の実験では、被験者の募集から実験の実施、データ収集まで多くの手作業が求められていました。しかし、LUIDAはこれらのプロセスを一元化し、自動化することに成功。メタバースを活用することで、心理実験やVR体験の参加がネットを介して行えるようになりました。

LUIDAの仕組みと利用方法



LUIDAの利用は非常にシンプルです。研究者はUnityベースのテンプレートを用いて簡単に実験を設計でき、参加者は「募集ワールド」に設置された掲示板から興味のある実験を選択。その後、ポータルを通じて「実験ワールド」に移動し、体験を行います。特に、VRヘッドマウントディスプレイを装着したままアンケートに回答できる仕組みは、実験の一貫性を保つうえで非常に重要です。

また、LUIDAは参加者が行う動作や認知に関するデータを連続的にトラッキングしつつ、自動で記録します。これにより、研究者は大量のデータを短期間で集めることができ、効率的に実験を実施することが可能になります。

実証実験と参加者の反応



実際に、クラスター上で実施された実験には約500名が参加し、手のリダイレクション検出やプロテウス効果によるドラム演奏など多数のテストが行われました。実験の結果、従来の研究手法に加え、参加者を大規模に集めることができることが確認されたのです。また、このプロジェクトは内閣府のムーンショット型研究開発制度に基づいたものであり、将来的にはサイバネティック・アバターの普及へとつながることが期待されています。

研究者の期待と展望



研究関係者からは、LUIDAを活用することで得られる新たな知見に対する高い期待が寄せられています。例えば、東京大学の鳴海准教授は、短期間での大規模実験が可能になったことで、心理学や人間工学の研究が加速することを期待しています。また、筑波大学の平木准教授は、LUIDAを通じてメタバースの可能性を広げ、人間社会を科学的に理解する新たな手法の進展を予見しています。

今後の展望



今後、クラスターはLUIDAをさらに広く活用し、教育、医療、産業など様々な分野への応用を目指すとしています。LUIDAはメタバースを単なるエンターテインメントの場から、より有意義な実験の舞台へと変える力を持つ存在です。この研究が進展すれば、私たちの身体の認識や行動、さらには日常生活に与える影響について新しい視点が得られるでしょう。

このように、LUIDAはメタバースを通じて実験と研究の新しい可能性を拓く非常に意義深いプロジェクトです。その成果に期待が高まります。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
クラスター株式会社
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。