JR東日本とfavyが仕掛ける新しいOMOマーケティング
皆さんは「OMOマーケティング」という言葉をご存じでしょうか?これは、OnlineとOfflineを統合するマーケティング手法で、消費者の行動データを活用して、最適なタイミングと場所でパーソナライズされた情報やサービスを提供することを目指します。そんな最前線の取り組みが、2023年6月18日より新宿で実証実験を開始しました。運営を手掛けるのは、株式会社favyです。
シェアオフィスとシェア型フードホールの新しいスタイル
この取り組みの舞台は、新宿駅から徒歩5分という恵まれた立地にある「アドホック新宿ビル」。ここでは、シェアオフィスとシェア型フードホールが融合した新しいビジネスモデルが展開されます。このモデルは、JR東日本が持つ膨大なSuicaのタッチデータと、株式会社ビットキーのスマートロックによる入退室データをリアルタイムで連携させることによって、さらなる顧客体験の向上を図るものです。
具体的には、改札口でのSuicaタッチをリアルタイムで捉え、利用者が最も必要とするタイミングで情報を配信する仕組みが構築されます。たとえば、駅を出てすぐに「reDine 新宿」にて使える割引クーポンが送信され、来店を促すという形です。
日本最大級の行動データベース
JR東日本が持つSuicaデータの一部は、発行枚数が累計で1億枚を超えることで知られています。これらのデータベースは、消費者の移動履歴や行動パターンを詳細に把握することが可能です。このリソースを活用することで、不動産、飲食、小売業界において従来のマーケティングが大きく変革する可能性を秘めています。
顧客体験の向上を目指す取り組み
本プロジェクトでは、タッチトリガーとスマートロックから取得したデータを連携し、顧客の行動をリアルタイムに分析します。これにより、「来店の可能性が高いユーザー層へのアプローチ」や「施設内行動パターンに基づく再来店促進」など、多様なマーケティング戦略を実施することが可能になります。さらに、個別のクーポン配信や特別オファーを受け取ることで、利用者の満足度を高めることが期待されています。
プライバシーへの配慮も忘れず
重要なことは、この取り組みが個人情報保護にしっかりと配慮している点です。タッチデータの利用にあたっては、顧客からの同意を得るプロセスを重要視し、利用者のプライバシーを守るための暗号化手段が講じられています。このため、収集されたデータは匿名化され、個人を特定することはできません。
不動産業界への新たな風
この新しいOMOMマーケティング手法は、ただのビジネスモデルを超え、業界全体に革新をもたらす可能性を探ります。オンラインとオフラインの境界を意識せず、よりシームレスな顧客体験を提供することが目指されています。ユーザーにとっては、自分の行動に基づくタイミングで情報を受け取ることで便利さが向上し、事業者はより正確なデータに基づくマーケティングを行うことで顧客の獲得が期待されます。
今後の展望
今後、株式会社favyはこの取り組みを更に拡大し、飲食業界以外にも広げる意向を持っています。駅近の店舗や施設がこのタッチトリガーを活用することで、参加する事業者全体が新しい顧客へのアプローチが可能になり、より最適なマーケティングの実現が期待されます。これは、不動産・小売・飲食業界の未来を見据えた先進的な試みとして、多くの注目を集めています。
特別視察会の開催
この新しい取り組みについてさらに深く知りたい方には、特別視察会が開催されます。不動産や施設に関する業務に携わる方々は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?特別な活動がどのように展開されているのか、実際に観て感じる貴重な機会です。