江崎グリコの腸内環境改善研究
江崎グリコ株式会社は、独自のビフィズス菌「GCL2505株」と水溶性食物繊維「イヌリン」を用いた研究により、腸内細菌叢や短鎖脂肪酸への影響を確認しました。この成果は、2025年5月16日に日本農芸化学会の国際的な学術誌「Bioscience, Biotechnology and Biochemistry」に掲載される予定です。
研究の背景
腸内細菌は様々な代謝物を生成し、宿主の健康に重要な役割を果たしています。特に短鎖脂肪酸は腸や肝臓の細胞にとってエネルギー源となり、なかでもGCL2505株は、腸内のビフィズス菌を増やし、さまざまな健康効果を持つことで知られています。この研究では、短鎖脂肪酸の産生と腸内細菌の機能変化の関連性を探ることが目的とされています。
ヒト試験の概要
研究は健康な成人男女120名を対象に行われました。参加者は、GCL2505株を含む乳飲料と、プラセボ飲料を2週間ごとに摂取し、その結果を比較しました。研究の結果、GCL2505株とイヌリンを摂取した期間に、腸内細菌叢のビフィズス菌が増加し、便中の短鎖脂肪酸レベルが有意に向上することが確認されました。
結果と考察
試験結果として、便中の短鎖脂肪酸濃度が著しく増加し、ビフィズス菌の数も増加したことが示されました。また、腸内細菌全体の構成に変化が見られ、特に炭水化物代謝に関連する遺伝子の増加が確認されました。興味深い点は、短鎖脂肪酸の増加が見られない群でもGCL2505株は増加していたにも関わらず、腸内細菌叢の全体的な構成や機能にはほとんど変化が見られなかったことです。このことから、短鎖脂肪酸の増加には腸内細菌叢全体の変化が重要であることが示唆されています。
健康への寄与
この短鎩脂肪酸の増加が健康に寄与する効果として、すでに内臓脂肪や体脂肪の低減、エネルギー消費量の向上、血管の柔軟性の改善、さらには認知機能の改善に関連していることも指摘されています。これにより、腸内環境を整えることで、肥満の予防や健康寿命の延伸が期待されます。
結論
江崎グリコはこの研究を通じて、ビフィズス菌と短鎖脂肪酸の関連性をますます深化させています。今後もGCL2505株を活用し、腸内の健全性を保つための研究を続けていくことで、多くの人に「すこやかな毎日」を届けることを目指しています。詳細な研究成果に関心のある方は、江崎グリコの公式サイトをご確認ください。
参考情報
健康と腸内環境の重要性を再認識する貴重な機会となることでしょう。これからの進展に注目していきたいところです。