新NISA導入から1年、利用者の動向と満足度の詳細
新NISA制度が導入されてから約1年が経過した現在、国内最大手の家計診断サービス『オカネコ』を運営する株式会社400Fが実施した調査結果が発表されました。この調査では、新NISAの認知度や実際の利用状況、そして利用者の満足度について詳細なデータが得られました。
認知度の向上と内容理解の課題
調査によると、新NISAの認知率は91.8%に達し、制度開始直後の86.6%から大幅に増加しています。しかし、認知しているものの制度内容を把握していない人が26.8%おり、約4人に1人は具体的な情報に対して不安を感じていることが浮かび上がりました。この傾向は、特に投資初心者層に顕著です。
利用率と投資枠の現状
新NISAを実際に利用しているとの回答は56.8%で、前年の37.8%から約20ポイントの大幅な増加が見られました。特に注目したいのは、つみたて投資枠の利用者が86.8%、成長投資枠が84.0%と非常に高い数字を記録している点です。
つみたて投資枠を利用している人の平均積立金額は62,361円で、成長投資枠では133万2,509円と、利用者の層によって明確な差が確認されました。これにより、利用者はそれぞれの投資スタイルに合わせた積立額を選択していることが示されています。
人気の投資先と投資意欲の高まり
調査では、地域別で最も人気のある投資先は「全世界株」で63.9%、次いで「成長株」が56.9%と多様な選択がされていることが分かりました。投資信託のタイプでは、インデックスファンドが87.9%を占め、手軽に投資を行いたいという意欲が垣間見えます。
また、NISA利用者の91.8%が「満足している」と回答し、70.2%はNISAを利用したことで「投資意欲が高まった」と明言しており、この制度が多くの人々にポジティブな影響を与えていることが伺えます。
未利用者の理由と今後の課題
一方、新NISAを利用していない人に対する質問では、「リスクが怖い」という理由が44.7%を占め、「手続きが面倒」との回答が26.7%と続きました。また、制度自体を知らない人も約17.4%を占めており、制度普及の課題が残されています。特に手続き面での支援需要が高まっていることは注目すべき点です。
結論と今後の展望
今回の調査を通じて、新NISA導入から1年を迎え、その認知度と利用率が向上している一方で、内容把握や手続きに関する課題も浮き彫りになりました。株式会社400Fは、今後も多様化するお金の悩みに寄り添い、さらなるサービスの充実を図る方針で、fintech分野における財務プランニングに力を入れるとしています。
このような事例を通じて、私たちも自分の投資スタイルに合った選択をし、資産形成に向けた一歩を踏み出す時期に来ているのかもしれません。